けしごむ
きっと消しゴムを好きにならない。今作者の中で70℃くらいでまだ話題沸騰していない作品がここに爆誕!
総集編「かわいそうなぶんぼうぐたち」より
「消しゴム」
第一章 「買われ、飼われる。それが運命」
ぼかぁでっかぁいけしごむ。ぼくはとってもにんきもの。今は二十四円でうられているけどむかしは百円でうられていたのさ。にんげんはぼくを使うのさ。だからぼくはすぐ売れるのさ。ほら、にんげんがきた。売れない消しゴムのみんな、お先に失礼!
ー消吾 夢月は購入されたー
けしごむは、今から訪れるのは輝かしい未来だと信じてやまなかった。しかし、それが勘違いだったとわかるのはすぐ後のことであった。
第二章 「痛い、疲れた。これも宿命?」
もぅマヂ無理。。。首折ろ。夢月の心は涙も流せないくらいに傷ついていた。もはや夢月に感情はない。それもそのはず、夢月の持ち主は「消護摩弾落」と呼ばれる死の遊戯を学び舎で行っているのデスから。
夢月の持ち主はクラスで浮いている。故に消護摩弾落では標的にされるのだ。しかしそれで辛い思いをするのは持ち主なんぞではなく夢月なのである。
当たり屋も顔負けの攻撃を他の消しゴムから受け続け、机からは紐なしバンジーの如く落ちる。物理的に浮く夢月と、クラスで浮く持ち主。持ち主はウキウキな日々を過ごし、結果として夢月は病んだ。
第三章 「先代との出会い。my own judgment」
それは夢月の持ち主が居ぬ間に起きた。
「そこの若造。」「…え」
どこかで呼ぶ謎めいた声に夢月は思わず反応した。夢月はどこからともわからない声の主に対し、心の声での会話を試みる。
「消護摩弾落の被害者には先代がいたのだ。そう、それがこの儂。製造からおよそ8週間の儂じゃ。」
夢月は「8週間なら二ヶ月と言えよ」と言いたい気持ちや、「若造と言うけど、ぼくは1週間前まで売れない歴=年齢=811日だった年増だぞ。」と言いたい気持ちをぐっと抑えこう尋ねた。
「あなたは何度床を見た?どうすれば助かる?あらいぐまラスカル。あ、韻踏めそう」
夢月渾身のラップを華麗にスルーをした先代の言葉によると
・けしごむ族には代々伝わる最終奥義がある。
・最終奥義は体が大きいけしごむであればあるほど強大なものとなる。
・先代は体が小さいため弱かったから表舞台から姿を消した。
ということだ。最終奥義への期待に胸を膨らませ、夢月は病んでいたのが嘘かのように笑顔になった。まあ笑う顔はないけれど。
第四章 「決めろ最終奥義。悪夢との決着」
先代は夢月と話した2日後に、使えなくなったとゴミ箱へgo shoot!されてしまったが、いよいよ今日に迫ったXデーに夢月は高揚し、先代の安否などどうでもよかった。自分の身代わり「keshikasu」達が集まったその日。決着をつけようと最終奥義に手を出した。
夢月「最終奥義…練凛消…!!!」
これでもう、消護摩弾落に使われることはない。夢月がそう確信したその時だった。夢月の持ち主はもう二度と夢月を消護摩弾落で使えないことにショックを受け、パニックになり、事もあろうか理科の実験で使っている塩酸へと夢月を放り込んだのだ。
意識が薄れゆく夢月の目に映るは笑う人間。そして、今は亡き先代の在りし日の姿。「これが走馬灯、か。先代…僕、やったよ。これで楽になれるんだ。」夢月はそんなテレパシーを届きはしない先代へと送った。
白衣を着た怪しげな大人「ここにアルカリ性の物を入れることで……ほら!中性に!!」
ゴミ箱の中、再開する夢月と先代。2人は合体し1つの練凛消となったが、時すでにお寿司。もはや彼らに生き延びる道などなかった。「これがさ、消しゴムの生きる道。定めってやつなのかもな。」「まあ死ぬんだけどね。」なんて他愛もない話をしながら消しゴムは親指を立てて可燃ごみとして消えていった。
作者より
今回も、ダメだったか。奴ら「消死護摩」には期待していたのだがな。
なーんて声が天から聞こえるような気がするので多分続編でまーす…!
ドドドドド素人の「漆黒の朧月」です!名前は「しっこくのおぼろづき」と読みます。四国のロキとでもなんとでも好きなように呼んでいいので、よろしければ名前だけでも覚えてってください!
初投稿となりますので何卒お手柔らかにお願いします!
読んでくれてありがとう。