自滅の刃
ここは地獄
9才で死んでしまった俺は、三途の川を渡ることができずに河原で石を積み上げては、鬼に石柱を壊される生活を続けている。しかしこの生活には飽き飽きしてしまった。
自分には石を積み上げる以外にも夢がある。それは小説家になることだ。昔から本が好きだったが、幼くして亡くなってしまったので十分に本を読むことができなかった。もし生きていたら本を書くしごとがしたかった。
そして鬼を盗み見て最近は本を書くことにした。その物語は地獄での生活を書き綴った日記に近いものである。三途の川の近くに住んでいると嫌でも対岸の生活も知ることになる。だから地獄での素朴な生活がどんなものか書き綴ることにした。
そして書き始めて100年くらい経過した。その時には文章力も上がり本と呼べるものができてきた。
そんな中、ある男に会う。そいつは死にかけて三途の川の入り口にまで来たようだ。だから生き返るだろう。だから、自分の考えた小説をその男に伝えることにした。これで自分も成仏できるのではないかと思った。小説を伝えた後に男は現世に帰っていった。
その後、現世では、鬼滅の刃とかいう漫画が流行した。その男は小説家ではなく漫画家だった。少年は成仏できませんでしたとさ。