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辺境伯別邸へ 2
「アハハハハハハハハ……」
狂ったように?笑いつづけるメイドを困惑の表情で眺めるコリンヌ嬢。
「メイドさんは、どうしてしまわれたのでしょうか?」
「ジェーン?」
「は、はい、お嬢様……フフフフフフフフ……」
「大丈夫?」
心配そうに問いかけるお嬢様。
「未だですか?お嬢様?フフフフ…」
「……もうすぐ王都廷につきますからね。そこまでは我慢して。」
「は、はい、承知しました、お嬢様。フフフフ…」
「お嬢様のご不幸に、お女中さん、ジェーンさんが気が狂われてしまわれたのかと思いましたが、ご病気だったのすね?辺境伯様の王都邸に着いたらお薬があるのですね?」
「プッ!…アハハハハハハハハ……」
またジェーンさんの発作がぶり返した。
フフフ
失意の令嬢が何故かジェーンさんの発作を見て微笑んでいらっしゃる。……さっぱり感情の機微がわからんじゃ。
そうこうするうちに、ハスブル辺境伯王都廷に着いた。