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辺境伯別邸へ 1

 あれからすぐ辺境伯家の従者達7人が来て、なんと7人で来たのだ、令嬢を連れていき、でも、それほど時間が経たずに白い布を右足首に巻付けた令嬢とともに戻ってきた。異世界なら、治癒魔法ですぐ治せばよいと前世記憶で思うが、貴族学園にも通った今世記憶で、この異世界には魔法がないことを思い出す。…なんと、異世界なのに魔法がないのだ。信じられない!!


 ガタゴトガタゴト…

 とりあえず、辺境伯王都邸に馬車で向かっている。

 よく転生もので、いまの自分のように中世ヨーロッパ風の異世界であったとき、初期の段階で馬車の居心地が悪いと言ってたようだけれど、確かに悪い。王都の道ではあるが、日本のようななめらかなアスファルト舗装というわけでもないし、サスペンションの採用も未だのよう。でも、自分は雑学レベルが低いので、ゼンマイ風のものを使ってあるという以外の知識がないので、将来的にこの不便解消での儲けは難しいかな。

 「何を考えていらっしゃいますか、ナオキ様。」

 考えないように、他のことを考えていたのだが、対象からやって来てしまってはどうしようもない。いまは、たいへんな美人が向かいに座っている。勿論二人っきりというわけでなく、十代後半くらいのお付きのメイドさんもいるのだが。彼女も結構な美人さんだ。

 「平民となりましたので、どうやって稼いで日々凌いでいこうかと。」

 細かいことを考えていたわけであるが、つまりはこういうことだ。

 「ふふ、逞しいこと。もし今回の件により、私も貴族でなくなるようならば、ナオキ様に付いて行こうかしら。」

 「ご心配なさらずとも、ご自分から辞めない限りは貴族は貴族であり続けますよ。今回のことは国家への反逆ということでもないわけなんですし。」

 「そうですね。婚約中という絶対的有利な立場に油断して、女の闘いに負けてしまっただけですものね。」

 憂い顔に落ち込んでしまわれた。もっと気の利いた台詞が言えたら良かったのだが、十数年の子供経験しかないナオキも、大往生をとげたとはいえコミュ障の老人も、こういう場合の最適解を知らないのだ。


 「ふふふ…ふっふ、アハハハハハ……」

 コリンヌ令嬢の隣で身をよじって大笑いを始めたお付きのおメイドさん。何故?ご主人より先にメイドさんの方が先に狂ってしまった!?

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