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たろう

「たろう」

そこには、白っぽい顔があった

熊のようなそれは直立しており

口が動くのが見える

た ろ う

僕は、ノコギリを握りしめて走った

こんなのは意味がない

熊でさえ僕には無理なのに

それが、あんな良く分からないものだ

僕は暗闇を一人はしっていた


夜中、ひとり木を切っていた

ノコギリを、何度も木に通すが

なかなかミシリと音がしない

右と左に交互に傷を付け

さらに前後に斜めに線を入れる

しかし中々 木がミシリと音がしない

斜面の中腹に生えるその木は

丁度使い勝手が良く

私有地ではなかったが

人目が気になり

夜中に、懐中電灯もつけずに

山にはいっていた

十月半ばのせいか

虫の鳴き声はせず

どこかで、川のせせらぎが

休むときこえる

ポケットに入れた携帯から音楽が鳴りっぱなしであるが

先ほどからあまり良い雰囲気の音が鳴がれていない

こう言うときにランダム選曲のだまりがある

体重をかけて傾かせるが音がしない

仕方なくまたは物を入れたその時

切り口から何か黒い物が吹き出した

それが何かを確かめるより先に

僕はノコギリを握りしめて

斜面を登っていた

背後では、何か気配がするが

それが川の音なのか

あの液体が、斜面に、落ちる音なのか判別する前に

僕は、逃げ帰った

翌日、昨日の木の位置に、歩いていくと

そこには、首がざっくり切られ

絶命している弟がいた

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