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終わりのその日まで

 俺達は今第一次防衛ラインにいる。

 6人編成の分隊に入れられた。

 隊長は先ほど俺と()めてた連中の一番最初に殴ってきた奴だ。

 お仲間も同じ部隊だ。


「おら新人! もっと前に出ろ!」


 そう言うと機甲騎兵(トルーパー)を後ろから蹴る。

 まだマップに反応は無い、ちなみにこの世界はレーダーが使えない。

 大気中に舞う電波阻害粒子がレーダーや通信を阻害しているのだ。

 そのため連絡は光通信で行われる。


「ちゃんと俺達の弾除けになるんだぞ」

 そう言うと下卑た笑い声をあげる。


 敵1000体が突如俺のマップに映り銃撃を開始した。

 もちろん弾除けになる気はないので避けた。


 その一撃は後ろにいた機甲騎兵(トルーパー)を破壊した。


 一撃で現行型が壊れるのかよ。


「何だあれは見たことが無いぞ、新型か?」


 分隊用のチャンネルで無頼漢(ぶらいかん)達の困惑の声が飛ぶ。


 周りの隊も被害が出ているようで時置かずに撤退命令が出た。

 第二次防衛ラインで増援と合流して迎え撃つ作戦らしい。


「新人お前が殿(しんがり)だ」


 そう言うと俺を残し分隊は撤退した。

 まあ、元々やる気だったしな問題ない。


 俺は岩影に隠れスナイプに徹した。

 だが場所がバレているスナイパーなど赤子の手を捻るより簡単に殺せる。


 そう()んだ奴らが前進を開始した。

 俺は生活魔法で水を生成しタンクに満たした。


『操者様今のは?』


『ああ、おれの特殊能力』


『……』

 今は説明している暇はない、敵を殲滅するのが先だ。


 最高出力のプラズマをお見舞いすると敵も一撃で沈んだ。

 だが今ので水が1L無くなった。

10Lタンクでは9発が限度のようだ。

 とは言え魔力はまだある。


「全開で、いかせてもらうぜ!」


 9発撃つ毎に俺は水を生成してタンクにチャージした。


 だが奴等もバカじゃない近づいてはまずいと遠距離攻撃を開始した。

 弾は岩など軽く破壊して俺の機体に迫る。


 俺はすぐさま物理攻撃軽減(シャットアウト)魔法を唱えた。

物理攻撃軽減(シャットアウト)は効果を発動し、弾はコンコンと機体をノックする程度に軽減された。

 この魔法は10分間しか効果がない。

 しかも一日1回が限定魔法。


 俺は岩影から飛び出し敵に向かって走り出した。

 エアーガン程度の威力しかなくなった敵の弾で俺を倒すことができない機械生命体はただの(まと)と化した。


 ほどなくして全ての敵は沈黙した。


『生き残ったのですか?』


『違う、生き残ったんじゃない、生を勝ち取ったんだよ』


 そう言われたナナミは涙を浮かべて泣いている気がする。

 見えないから分からないのだが、感情が流れてくるから間違いない。

人工生命体と言えど生きたいのだ。

 誰だって死にたくないのだ。


 俺は状態の良い敵の残骸二機を鹵獲(ろかく)して帰路についた。


 敵の新型機の残骸を持ち帰った俺は軍曹に昇格した。

 (ゼロ)の俺はこれ以上昇格することはない、だが活躍すれば色々な報奨がもらえるらしい。

 アリス准将から今回の褒美として現行機をいただいたが、乗り換える気はない。


 そうこの機体はすでに俺の一部になっている。

 俺の影響なのかこの機体にはレベルがある。


 LV35ですでに現行機種を上回るスペックを叩き出している上に自動修復能力まである。

 ただし俺が登場したときだけだ。


 俺じゃない奴が乗ってもボロのままだ。

 たぶん俺の持つ武器は錬度によってレベルが上がると言う固定(パッシブ)スキルによるものだろう。


 ファンタジーが強いかリアルが強いか。


 そして俺は分隊を受け持つことになった部隊名は0の部隊。

 まんまです、上司のアリス准将が命名したのでダサいとは言えずにありがたく拝命した。


 分隊は部屋がもらえる10畳ほどの部屋だが地味に嬉しい。


 そして欲しいものがあるなら遠慮無く言えと言うので。植木が欲しいといった。

 植木は母星から持ってこないと無いので時間がかかるがくれるそうだ。

 今回はそれだけの戦果だと言うことだ。


 そして今日俺に部下ができる。

 この新人も能力なしの烙印を押された(ゼロ)の一人だ。


 つまり俺の部隊は(ゼロ)になった人間の駆け込み寺と言うことだ。

 やられたぜアリス准将。


 まあ、植木ももらえるのだ、わがままは言うまい。

 植木が来ればMPが回復できるようになる。

 現在MPは129じり貧なのだ。


 まあ、どうせすぐに帰るつもりはないナナミをここに残すのは酷だ。

 俺がいなければすぐに廃棄されるだろう。

 最悪地球につれていこうと思う。

地球じゃなにも持っていないおっさんだが幼女一人くらい養える。

 結婚もしてないが娘ができた気分だ。


 その時コンコンと部屋のドアがノックされる。


「トモヤ様、新人の方と人工生命体(ガジェット)をお連れしました。

 どうやら新人がきたようだ。


 ちなみにナナミは俺のことを名前で呼ぶようになってくれたのだが様付けである。

 様はいらないといといつも言っているのにな。


 俺はフウとタメ息をつくと、新人の女性を向かい入れるべく席をたった。



 ー終わりー


この物語はこれで終わりますが、彼らの戦いは始まったばかりです。

彼らが負けないよう応援してあげてください。


ブクマが100越えるようなら続き書きます。

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