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出撃の鐘は暴力的に

 この機甲騎兵(トルーパー)は二重構造になっている。


 分かりやすく言うとロボットがパワードスーツを着ているのだ。

 内部のロボットは反応速度をあげるために超音波モーターを使用しておりまるで人間のように動ける。


 ただいかせんパワーがない。


 なので外部のパワードスーツ部分は油圧式になっており中のロボットをサポートするようになっている。

 移動方法はジャイロオーブと言う球体があらゆる方向に重力を発生させ引っ張られるように移動するようだ。


 この球体はブラックボックスになっており、設計図をダウンロードできなかった。

 俺の機体にも付いてはいるが出力が現行の半分しかないしかもボロい。

 部品の数が分からないので直しようがない。

 これ一つで魔力切れになるわけにはいかないのだ。


 その理由が武器や動力にある

 これらは全ての水で動いているのだ。

 動力は当然だが銃の弾まで水なのだ。

 プラズマ化した水を弾丸をもちいている。

 貯蔵タンクは3Lの物が付いている。

 現行型は10Lの物で2倍以上稼働できる。

 だが水は貴重品なので階級により支給される量が違う。

 Zeroの俺は2Lしかもらえない。


 2Lだと稼働だけで3時間が限界だが……。

 この2Lで弾も補わなければいけないわけだのだから、どうしようもない。


「片道キップだな」


 まあいい、とりあえず整備だ。


 操縦席は二人乗りで前席が人工生命体(ガジェット)、後席が操者。

 人工生命体(ガジェット)機甲騎兵(トルーパー)を動かすための電子部品を兼ねている。


 純粋な電子部品では機械生命体側にハッキングされ動かなくなるので人工生命体(ガジェット)が使われるようになったそうだ。


「ナナミ、次の出動はいつになる?」


「5時間後です」


 5時間か、全部バラすのはさすがに俺でも無理だ。

 外装の油圧のオイルと油圧ポンプメインユニットの超音波モーターとタンク容量を10Lの物を取り付けだな。


 まずはオイルを全て抜いた、そのオイルは粘度はなくサラサラな状態だった。

 抜いてみて分かったがどう考えてもオイルの量が少ない、俺はジャンクからもオイルを抜き一つにまとめた。

 それにリペアをかけ元の粘度がある状態に戻す。

 次は外装をバラす、オイルが機能していなくパッキンはすり切れシリンダーは磨耗していた。

 これは重要なのでリペアをかける。


 そしてメインユニットの超音波モーター、これは全てリペアをかけた。

 普通のモーターと違って当たりをとる必要がないためだ。


 あとはチェック項目に従って部品をチェックするその過程でダメなものにはリペアをかけた。


 これだけでMP248が消えた。残りのMP751か。

 まあ必要なものにだけ使ったんだ問題ない。


 操縦席に乗り動作確認を行うためナナミにも乗ってもらった。

 椅子に座わり体を固定して右手を立方体(キューブ)の上におくと一瞬意識が飛ぶと目の高さが高くなる。

 手を見るとロボットの手だ。

 操縦と言うよりも一体化して動かすのが機甲騎兵(トルーパー)の特徴だ。

『ナナミ。俺の言葉は分かるかい?』

『はい、問題ありません』

『じゃあ、システムチェックをお願いするよ』

『かしこまりました』


 現在俺の意識はナナミとひとつになっている。

 その為ナナミの不安や恐怖が俺にまで流れ込んでくる。


『なにか心配事でもるのか?』

『……なぜ死が確定しているのにこのようなことをするのですか?』


『確定? 俺は生きて帰ってくるつもりだけど』


『無理です、私たちは死にます』

『無理じゃない必ず帰ってくる、ナナミも一緒にな』


『なんで、なんでそんな』

『だからさ、一緒に帰れるよう努力しよう諦めるのはまだ早いよ』


『……はい』


『システムオールグリーンです、この機甲騎兵(トルーパー)は問題なく起動できます』


『よし、じゃあ休憩しよう』


 俺達は機甲騎兵(トルーパー)を降りるとその場に座り込んだ。

 地球に帰れるはずが違う異世界でまた戦う。

 今度の敵は機械だと言う。

 今すぐ帰還魔法で帰りたいところだがこの世界を構成する(ことわり)がわからない。

 (ことわり)が分からなければ帰還魔法を使えない。

 帰還魔法に必要なMPは200だ、それまでになんとか帰る目処(めど)をつけないとな。


 俺達は戦争前に腹ごしらえをすべく食堂に向かった。

 出された食事は3種のペースト状の物と肌色のブロックが出てきた。

飲み物は水色の液体だ。


 宇宙食みたいでかっこいい。


 味の方はそれほど悪くなかったが原材料は知りたくない。

 飲み物も喉を潤すためのもので水ではないらしい。

 液体で水じゃないとか怖いな。


 ナナミと不味い食事を楽しんでいるとけたたましい音が鳴り響いた。

 どうやら出撃の時間のようだ。

 俺達は食器を手早く片付け格納庫へ向かった。






ブクマが欲しい人生だった

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