出逢い
次に目を覚ましたのは、病室のベッドの上だった。
目を覚ました俺は、身体を起こす。
別段、痛むところは見当たらない。
あれ?なんでおれ生きてるんだっけ。。?
あの時の事を思い出そうとする。
あ、そうだ、もうダメだと思ったところで誰かの声がしたんだ。
でもそこから先の記憶がないという事は、おそらくその後、気絶したのだろう。
病室の扉が音をたてながら開いた。
「あ、気が付いたんだね」
声のした方を向くと黒髪のスーツを着こなす男性が病室のドアを開けて中に入ってきた。
整った顔立ち。少し幼さを感じる顔つきだが、おそらく俺よりは年上だろう。
「あの。。ここは?」
とりあえず、俺は今の状況を確認するため気になっていた事を質問した。
「ここ?ここは病院だよ。君はあの日「X」と遭遇し、逃げずに戦いを挑んだ。。ここまでは覚えてるかな?」
「そこまでは覚えています」
「そっか。そして一般人の君が勝て訳なく殺されるはずだった。。けれど、そこで僕たち世界政府が到着したんだよ」
「世界政府。。。」
世界中の子供から大人まで、知らぬ者はいないだろう。。。地球最後の希望、世界中の異端者を集め、軍団とした事で”X”と戦っている組織だ。
なんと日本に本部が有り、世界の至る所に支部を構えている。
「それでも本当は君は助かるはずではなかったんだけどね。。」
そこで目の前の男性は申し訳なさそうに言った。
おそらく俺の顔を見て、俺が疑問に思ってるのを感じたのだろう、すぐに説明を始めてくれた。
「君も聞いたことは、あると思うけど、炎帝がたまたま現場の近くに居て、Xの襲撃を受けてすぐに現場に向かってくれたんだよ。ちなみに君を間一髪で助けたのも炎帝だよ」
俺は驚いた。
『炎帝』それは世界政府が誇る最高戦力の1人の名前だ。正確には通り名みたいな物だが、世界に5人しかいないSSランクの異端者の1人であり日本によく現れる事から日本人ではないのかと囁かれている。
これが、俺と炎帝の出逢いだった。