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「異端者」  作者: 前田優
始まりは突然に
2/4

覚悟

目の前に立ち塞がる敵。



学校の帰り道に夜飯の買い出しを済ませ、帰路についていたらこれだ。。



前にテレビで放送されていたNEWSで国のお偉いさんたちによる記者会見がやっていた。そこで発表された内容に「X」の中には人間と同じように上下関係があり見た目が整っていない者、知能が低いものは下に位置するって確か言っていたはず。。。



それでも、人間が素手では勝てないのは一目瞭然だ。



いま銃を渡されたって勝てる気がしない。




膨れ上がった筋肉。おれたち人間を見下ろす巨体。頭から生えてる角。



見た目は小さい頃に見た西遊記にでてくる牛の妖怪に似ているか?




なんて名前だっけなぁ。。




俺がそんなことを考え込んでいると、目の前の牛の怪物は、ゆっくりと腕を振り上げた。




いかんいかん、今は目の前のこいつに集中せねば。



俺はそこで思考を一旦ストップさせ、目の前の敵に集中した。




しかし見れば見るほど恐ろしい見た目だ。





ちくしょう。。こんなとこで死ぬ訳にはいかないのに。。。



家で待つ弟と妹。



母親は俺が小さい頃に病気でこの世を去った。



父親は俺が中学生の時にある日突然、置き手紙だけを残し俺たちの前からいなくなった。



手紙の内容は今でもはっきり覚えている。



『優斗へ、家族を残しいなくなる俺を許さなくていい、だけどあいつらだけは守ってやってくれ。俺はいつでもお前らを想っている。』



桐原優斗(きりはら ゆうと)


親父と母さんが二人で決めた俺の名前だ。



意味は、その名のとおり、優しい子に育ってほしいとかそんなんだったと思う。


しかし、




事情は今でもわからない。



それでも俺は俺たち兄弟を残し、姿を消した親父を許せずにいた。




手紙に書いてあった、あいつらというのは俺の弟と妹のことだ。



あいつらは実は俺とは血が繋がっていない。




母さんが生きていた頃に孤児院から引き取ってきたのだ。




それでも俺は本当の家族のようにあいつらを大切に思っている。




だから。。あいつらのためにも。。こんなとこで死ぬわけにはいかないんだ!!




必ず家に帰るんだ!!





俺は拳を強く握りしめた。







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