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第2地区大会前〜リレートライアル〜

真っ直ぐなレーンを俺は走っていた。

左に1人と右に6人が前後に距離の差はあるが並んでいる。

トップは真ん中のレーンを走る優らしい、

後ろ姿が見える。

俺はどうやら7位とかそれぐらいの順位にいるようだ。

走りながら俺はどこかで既視感(デジャヴュ)を見ているような気持ちになる。

50m〜80m過ぎくらいで俺の前を走る奴らを一気に抜いて優とトップ争いをする。

半身の差で2位を走るが徐々に詰めているのを感じる。

ゴールする直前に眩いばかりの光が俺の視界を包んでいく。


置時計が大音量で振動しながら俺の眠りを妨げる。

目を閉じながらベットの横の棚を手探りするが昨日ここに置いたはずの時計に触れない。

面倒臭いなと思いながら俺は目を開けて時計を探す。

なんてことはない、俺が探していた場所は見当違いの所だったようだ。

『こんなところにあったのかよ』

と時計にいらだちを感じながら俺はベッドから体を起こして部屋を出る。

二階建ての一軒家に住む俺は3つ上の兄貴が1人と母親の3人で住んでいる。

二階から降りた俺は台所から紙パックの野菜ジュースと丸い形のバターパンを持って部屋に戻る。

市の陸上大会が終わってから4日後の今日、俺はリレーのメンバーに選出されていた。

市の大会では高学年リレー、低学年リレーともに第2地区大会に進出していた。

しかし、タイムはギリギリで県大会まで行けないという危惧から短距離では5番目の俺が呼ばれたというが実は優が俺のことを推薦したらしい。

陸上部では最も速い優に言われるとどうしてもその通りになってしまうらしい。

「これじゃあ、アイツの独壇場だな」

と苦笑いする。まぁ、事実この前の大会で俺は3番目に速いタイムを残してるからな。

パンの最後の一口を飲み込み、野菜ジュースを喉に流し込むと俺は学校へと向かった。


俺が通う市立八川中学校は生徒数は600人近く、成績は平凡などこにでもある中学校だ。

13年前に1度だけ陸上部が全国大会に出たことで一躍有名になり、多くの生徒が入学したがそれ以降大きな大会にはどの部も出ていなかった。

そのため、徐々に入学者数は減少している。

6限目の授業を寝て過ごし、部活の時間になる。陸上部の練習場所に俺はすぐさま向かうとアップを始める。

ハンドボール部の顧問には陸上部の大会が近いと説明して陸上部を優先させてもらう許可をもらった。

ジョグ、体操、ハードルウォークと練習していると徐々に部員がやってきて各々アップをする。

100m流しを終えると水分を補給する。

全員が流しを終える頃に陸上部顧問の橋本がやってくる。学校内ではハッちゃんと呼ばれているらしいが陸上部では影で神童と呼ばれているようだ、年齢は確実に30は超えているのにだ。

「桂木、橘、早崎、早野」

呼ばれた俺達は橋本の元に走っていく。

「なんですか?」

3年の桂木が橋本に聞く。

「いまからお前ら俺の車に乗って競技場に行くぞ!後は.......遠藤と柴田も」

突然言われて驚く俺達を無視して橋本は練習場所から駐車場に向かっていく。

桂木に指示された俺達は学校の荷物をもって駐車場近くの校門前へと走っていく。

橋本が乗っているのはロケ車のような車だった。

「全員乗ったら行くぞ!時間ないから早く乗れよー!」

2年生が2人、3年生が4人のった車は競技場へと飛ばして行く。


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