担任に仕返しをしちゃいましょう
「てめぇふざけた事しやがって」
今、目の前にあの変態が居る。
空き教室に歩いてたら何か遭遇した。
昨日恥ずかしい姿をさらされて何処かに消えてから行方不明だったらしい、担任。
何でいんの? 正直邪魔。空き教室いって読書しようと思ってたのに。
てゆーか睨まれても怖くないんだけど。
担任ただの変態だし。こんなのに怯えるわけない。
「何がですか?」
にっこりと笑ってやれば、担任は顔を真っ赤にして喚く。
「何が、じゃねえよ!
てめえのせいでっ」
「何言ってんですか、宮先生。
俺は立派な正当防衛しただけでしょう?
ね、強姦魔さん」
なんて言って、先生を挑発してみた。
案の定、先生は顔を真っ赤にして俺につかみかかって来ようとする。
俺が担任より背が低いからって捕まると思ってるんだか。でも残念。俺じゃ捕まってなんてあげない。
パシッ、と伸ばされた担任の手を叩く。
そうして、担任の足に足を引っ掻けて転ばせた。
バタンッと音を立てて担任が崩れ落ちた
「先生さー馬鹿でしょ?」
俺はそういいながら、倒れた担任を踏みながら言う。
ふふ、特待生と風紀委員と生徒会+不良以外は授業さぼる人あんまり居ないし、ラッキーってかんじ。
此処廊下だけど、誰も見てないならいいよねー。
って事で踏みつけたまま、言う
「一昨日俺にやられたのにさ、襲いかかってくるなんて、単細胞なんですか?」
足でグリグリと踏みつけながら、言えば担任は足元で喚いた。
「どけっ」
なんていう担任の顔面に蹴りをかました。
「いっ………」
呻き声を上げる担任。でもまあ、この位当然の報いだよね。
だって俺を襲おうとしたんだし。
ドンっ、と担任の上でジャンプしてみた。
「うぐっ……」
「ぐえ……っ」
とかいう呻き声をBGMにしながら、リズムよく鼻歌を歌いながら足踏みしたりジャンプする俺。
「~♪」
何か楽しくなってきた!
やっぱり思いっきり仕返しすんのって気分いいよねえ。
しばらくそうしていたら担任は反抗する気も失せたらしくぐったりしている。
「ふふ」
俺は笑って、担任のネクタイとベルトをすかさず奪い取った。
担任はそれに、何をする気だ、ともいうような表情を浮かべる。
担任の両手を掴んで、後ろに回す。
そしてネクタイで腕をきつくしめる。
「な、何をするっ」
喚く担任なんてこの際無視。
次に担任を蹴って、廊下に転がして、暴れる足をベルトでしめる。
ふふ、足を縛られて、腕を後ろで縛られた状態の完成!
「な、お前――」
何かいいかけた担任の口に、担任のポケットから拝借したハンカチを詰め込む。
「~~っ」
担任が何が言おうとしてるみたいだけど、放置する。
手足の自由を奪われ、口にハンカチを詰められる、担任。無様で笑えるよね。
「じゃ、せんせー
俺行くんで、誰かに助けてもらってくださいねっ」
俺はにっこりと笑ってそう言って、何か言おうとする担任を放置してその場を後にした。
「ふふふ~ん」
担任に恥をかかせられるなあと思いながら、鼻歌を歌いながら、廊下を歩く。
このまま寮に帰ろうかな、と寮に階段を降りていたら、
「あ、お前っ!」
毛玉君に遭遇した。
毛玉君の後ろには会長と副会長がいる。
めんどくさいのに、遭遇したなと嫌な気分になる。
「操、知り合いですか?」
「理人だよ!
俺を苛めるひどい奴だっ」
うわー、毛玉君気持ち悪い。
そして会長とは一度接触してるからか、滅茶苦茶見られてるんだけど。うん、面倒だ。
「そうですかっ
あなたが、操を」
「苛めてなんかないですよ、副会長さん」
副会長に睨まれても、正直怖くない。てか毛玉君の敵は自分の敵みたいに睨まれてもねえ?
「嘘を吐かないでくださいっ
操を苛めといて嘘を吐くなんて……これだから親衛隊はっ」
あはっ、副会長は俺に喧嘩売ってんのかな?
親衛隊だからって全て決めつけてさ、本当馬鹿だよね、副会長って。
「香川君さ、苛め苛めってさ
俺は香川君に自分の言いたい事を言っただけ。
それを苛めってさ、馬鹿なの?」
香川君に向かって笑ってやる。
「なっ、馬鹿って何だ! やっぱり最低だ
馬鹿なんていうなんて」
「あなた、操に何を言ってるんですかっ
幾ら私たちに近づきたいからって」
「ぷはっ」
ヤバい。いや、なにがって毛玉君と副会長の発言。
馬鹿って言ったから最低ってお前は餓鬼かって言いたくなるよねえ。
そして副会長のナルシスト発言はヤバいよね。
真希が言ってたナルシスト副会長………何かナルシスト発言されると気持ち悪いよね。
俺が生徒会に近づきたいとか、あり得ない。
「な、何笑ってるんだよ」
「いやー、香川君も副会長も馬鹿だなと」
「なっ、人に馬鹿なんて言っちゃいけないんだぞ、理人!」
「……何、俺を呼び捨てにしてんのかな、香川君」
毛玉君に名前呼びされるとか、さ・い・あ・く、何ですけど!
「俺がお前の友達になってやるって決めたからだ!」
「は?」
「お前真希の友達なんだろ?
美乃が真希はいい奴だって言ってたんだ!
その友達なら根はいい奴なんだろ!
親衛隊何かに入ってるから、そんな性格なんだろ
安心しろ、俺がその性格直してやる!」
………………何、こいつ。ウザイ、つかキモい。親衛隊だから、なわけねえだろうが。
毛玉君何かと俺が友人になるとかあり得ない。絶対こんなやつとは友人になりたくない。
「操っ
美乃って風紀委員の鏑木美乃ですか?
鏑木は私たちを目の敵にしてるんですから近づいちゃいけません」
……そりゃ、風紀乱しまくる会長と下半身会計がいるんだから目の敵にくらいするだろ。
大体最近じゃ毛玉君が問題起こしているしな。
「何でだよ! 美乃はいい奴なんだっ」
「いい奴って、あいつらはですね……」
何か話始めた毛玉君と副会長は何か面倒だから、放置でいいよな、うん。
というか鏑木先輩の名前呼ぶなって真希に首しめられたのにまだ呼び捨てかよ、と突っ込みたくなるよね。
俺は、俺を見つめて何も喋らない会長を見る。
「会長、この前ぶりですね」
ふふっ、と笑ってやる。
「……貴様は親衛隊なんだよな」
「そうですけど、それが何か?」
「なら、何故俺様に、意見などした」
この前の事を言っているらしい。
会長の中で、親衛隊=言う事を聞く存在だったんだろうなと思う。
それに会長は香川君が自分に反発して面白いからって特別な感情持ってるはずだし…、監視カメラであの後笑っていた事から察するに俺会長に興味持たれてるっぽいし。
親衛隊の子達のために生徒会は潰さなくていいならそっちの方がいいからな。
それを思って俺は笑った。
そして笑った俺に会長は不審そうな顔を向ける。
そんな会長に俺は近づいて、副会長や毛玉君に聞こえないぐらい小さな声で言った。
「会長なんか、大嫌いだからですよ」
―――会長が、反発する奴に興味を持つというならば、その興味の対象を俺に移してやろうじゃないか…。
「……っ」
会長は驚いたような顔をして、俺を見る。
「ふふ、ではさらばです、会長さん」
俺は驚いている会長と、
「理人っ、待てよ」
とか言い出した毛玉君と
「操、風紀委員とは……」
未だに何か言ってる副会長を置いて、その場を後にした。
さあて、会長はどうするかね…?