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俺と幽霊でゴーストスイーパー!?

作者: ステイサム

サクラ、サクラ今咲き誇る

今俺は幽霊が蔓延る場所へ足を向けている。

何故かと言うと、兄が捕らえられているからだ。

何故わかるかと言うと、兄の霊波が俺へ飛んできた。

兄の霊力など及びもつかないほど俺は貧弱だが、

だが……助けなくてはいけない。

兄弟を見捨てる程俺はクズではない。

そろそろ見えてきたな。

あの学校の幽霊の除霊を失敗したのか。

「あの……」

「っ……!?何者だ!?この世の者ではないな?」

「この辺りは邪なる幽霊の霊波で満ちています。お引取りになられた方が……。」

「心配は無用だ。俺はこの世界に身を置いてきた人間だ。幽霊の扱いなど取るに足らん」

「ですが……。」

心配そうな面持ちでその霊は俺を見る。

「その霊は強い。って、言いたいんだろ?」

大丈夫。兄貴の護符を持ってきている。

退治は出来ないまでも、救出はできるはずだ。

「大丈夫だ。退治が目的ではない。」

「ですが、あなたの霊力は常人……いや、常人以下。本当にこの道のプロですか?」

このアマ。クソ幽霊のくせしやがって。何て物言いだ。

俺にも兄貴ゆずりの才能があるはず。……多分。

「あ?何が言いてぇクソ幽霊さんよ」

「っ……!?」

この男、まだまだ未熟だが才能を秘めている。

怒りで力が増幅するタイプか……。

「私と戦いなさい。命令です。」

そう。私程度にやられてるようじゃ、この廃校の主は倒せない。

「ごちゃごちゃ……うるせぇんだよ!」

そう、それでいい。

って、何で廃校の方に行ってるの!?

「待ちなさい。私と戦いなさい!」

「バーカ!誰が戦うか!死ね!いや、一回死んでるのか成仏しろ!お前に勝てる訳ねぇだろカス!お先に廃校に入らせてもらうぜ」

俺に力なんてねぇんだからよ。逃げて逃げて逃げまくってやるぜ。

そして、兄貴を助けたら兄貴に祓ってもらうんだ。

「俺はぁ逃げるぅ。そしてぇ兄貴に頼るぅっと。」

「待ちなさい!こうなったら……」

煙のようになり、凄い速度で幽霊は追いかけてきた。

ちなみに新米幽霊でもない限りこの技は幽霊皆使える。

「ちょ!お前ずり!ずりぃよ。普通に走れよ!俺なんか二本の足ちゃんと使ってんだぞ!」

「やったぁ!勝ったぁ!やった!」

幽霊は俺の前で止まりながら喜んでいる。

「そういう勝負だったのか?」

「……あの、いえ違いますが、私の勝ちです。お帰り下さい」

「おめー煙になっただけだろが……。」

「ですが勝負は私の勝ちです」

「へいへい」

と言いながら、廃校へ俺は向かう。

「だから何度言わせればっ!」

「勝負には負けたけど、廃校には行く」

「何故ですか?何故そこまで?」

「兄貴が捕らえられてるからだ。例えそれで命がなくなったって惜しくない」

さっきまでの濁った目とは違い、悟ったかのような目になる。

「わかりました。あなたの覚悟しかと受け止めました。」

兄というのは多分この男の三日前に来た者の事だろう。

まだ生きてるかはわからないが、この男の価値をもっと見てみたくなった。

「私もついて行きましょう」

「え?お前いらないけど……。戦力になりそうにないし。ごめん」

きょとんとした顔で男は私にそう言った。

何様だ。普段は常人以下のくせに。

「あなた自分の力わかってますか?」

私は怒りに身を震わせながら、その男に迫った。

何故私がこんな扱いを受けなければいけないんだ。

「……わかったよ。お前なんか怖いよ。ついてきなよ。正し命の保障はしないぞって死んでるかてへぺろ!」

この男は一体どこまでふざけるのか……。

全く、底が知れない男だ。

思わず笑みがこぼれる。

今までここまで底知れぬ退治屋がいただろうか。

「私は幽霊を1年ほどですがやっています。名前は水瀬霊子」

「……俺はこの道の見習いだ。名は霊堂破瑠香だ。女みたいな名前とか言ったら成仏させるぞ」

「いえ、別にそんな事は思いませんが。ただ難しい字をなさってるんですね」

「DQNネームってやつだろ。ほい」

男は手を差し出してくる。

多分握手の合図だ。

「はい。ってあれ……。」

すり抜けた。まぁ幽霊歴一年の私と、この男の霊力じゃこの程度だろう。

「握手できなかったな」

笑いながら男は言う。

私も笑いを隠せなかった。

お互いの未熟さに。

「そうですね。行きましょうか」

ここが……。

「入るぞ」

クソ!何て霊気だ。入り口にいるだけでこんなにも。

兄貴待ってろよ。

ここからは一瞬の気の緩みが命取りになる。

「それにしてもお前は何であそこにいたんだ?

「ここの幽霊が強力過ぎる為、見えない結界があるみたいに動けないでいました」

そうなのか。幽霊同士仲良くやってくれとは思うが……。

「あ、ちなみに私生霊ですよ」

「え?」

「だから、生霊」

「へ、へぇ……言われなくてもわかってたし。でも1年間幽霊してんだろ?」

「回数で言うとですね。幽霊なんで無敵です!」

自信たっぷりだが、俺の破魔札やら霊刀やらが通じそうな程弱いんだが霊波が。

兄貴だったら確実だぞ。こいつ常識ぶってるが案外じゃじゃ馬だな

くぅ疲れました

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― 新着の感想 ―
[一言] 素晴らしい!! こんなに惹き込まれる作品は読んだことがない!! 続き期待してます!!
[一言] とても面白かったです! 応援してますので頑張ってください!
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