第006話 皇女ってこれが?
誤字脱字がございましたらコメントよろしくお願いします。
今回はちょっと論議がわかれそうな…お話で。
君たちさ、『ツンデレ』という人種ってみたことある?
今目の前にいるんだけどさ、すごいよコレ。
なんかいきなり人の事扱き下ろしてきてさ、たまに頬染めてごにょごにょ言ってるんだよ。
今この肉体で心読めなくてホントよかったって思うんだけど、従者っぽい騎士が睨んできて大変ウザイです。
そしてその主はまた僕の事扱き下ろしてきた。
曰く、服装が汚いというと、ならあたくしの従者になればそこらの服より上等な服を着させてあげる、と随分高い所からの物言い。
曰く、目が見えないなんて憐れねなんていうと、ならあたくしが一生面倒見てあげない事も無いわ、とまるでペット感覚で言ってきた。
殺すぞこのガ…おっと、僕の可愛いイメージが崩れそうになっちゃった。
まったく、この服のセンスがなってないね、というか上等な生地使ってるしこの服。
まあ、目が見えない方に関しては眼帯なんて付けちゃってるから勘違いが多いんだけど、一生面倒見るって、お前の金じゃねえだろオイって感じ。
ふふふ、大丈夫、僕怒ってナイよ?
正直に気持ちが言えないのが恥ずかしくてついつい憎まれ口叩いちゃったわ、とかふざけるなよオイ。
好きだけど目の前にすると照れてしまってつい冷たくしちゃうの、なんてどこのガキだよ…って、目の前の女の子は餓鬼だったよアハハ。
思春期の心って複雑なんだね大変だねはいはい理解してあげるけど絶対に共感なんかできるか鬱陶しい隣のエインディアが珍獣でも発見したような目して『観察』はじめちゃったよ!!
想いとかは言葉にしないと伝わる訳ないでしょどういう教育受けて来たんだよ自分の思ったこともはっきりといえないなんて人としてどうなのダメでしょソレ嗚呼もう一刻も早くここから逃げ出したいけど情報収集がまだ終わっていないのに何でこんなことにこんな事だったら未来でも見てから予定立てるんだった…まだなんか言ってるよ。
ともかく、よく分かったよ。
『ツンデレ』という人種と遭ったら、まず一目散に逃げよう。
あれはヤバい、二次元でも萌えたりしなかったけど、三次元出会うともっとヤバい。
僕は被虐趣味者じゃないから、本当の事じゃないにしても酷い事言われたら傷付くし腹も立つもん。
さて…どうやって断ろうかなあ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「…という訳で、ついてくるわよね?
あたくしと一緒にいれば一生食べるのにも困らないし、綺麗な服で毎日楽しく過ごせるのよ、付いて来ない訳ないわよね?」
「断るっ!!」
面白半分に答えてみた。
残りの半分は多分真面目ね。
目の前の女の子、テレサ・シェリム・ムシュフシュは固まっている。
名前を聞いた時、お姫様ってみんなこうなのかなあって思っちゃった。
僕ほどじゃないにしても可愛い顔をしているけど僕をペット扱いするような奴に僕が傅くはずないじゃん。
言っている意味が分からなかったのか、それとも単なるおバカさん(たぶんこっちだろうなあ)なのか、テレサは僕が言った言葉を理解するのに、たっぷり5分かかっていた。
まあ、もう少し虐めようか、どうせ近い内に隣の騎士が騒ぐだろうし。
「僕は今旅をしている最中だから一所にいる予定なんてないし、誰かの下にいるとか不愉快過ぎて笑いそうだし。
そもそも人の事扱き下ろしておいて、一生面倒見る?
何でそんなイヤな奴に施されないといけないワケ?
お金とかも困ってないし、そもそも自分のお金でもないのに面倒見るだなんてあり得ないよね、舐めてるの?
まあ、要するに…」
一瞬だけどびくりと震えたテレサに、止めの一言を。
ちなみに、隣にいる騎士は剣の柄をカタカタと鳴らしていた。
「君みたいな存在に施されるほど僕は落ちぶれてないから、失せろよブサイク」
まあここまで酷い事言われたら、護衛の騎士も黙っていないよねってことで。
テレサの言葉より早く、僕に斬りかかってきた。
当然だけど、殺す気満々だね。
「きっさまああああああああああっ!!」
本当の事言っただけでキレるだなんて、まったく困った奴だなあ。
『……もっと穏便にできないのか?』
『いやいや何言ってるのさバル、僕は相互主義者だよ?
やったらやり返す精神の権化に、あれだけの事言ったんだ。
このくらい軽い軽い』
まあ精確に言うと、『やりたいからやる精神だけど何か文句ある?』なんだけどね。
どっかの誰かが理不尽だとか横暴だとか言っていたけど、失礼しちゃうよ。
前に【神斬】の機能を色々言ったけど、まだまだあるんだ。
【破軍】と違ってこの鎖鋸は、文字通りなんでも切れる。
ザクザク斬れるし、ガリガリ削れるんだ、すごいでしょ?
神とか歪限定とかじゃない、この世界の住人も斬ることが出来るんだ。
という訳で、抜刀したと同時に甲高い回転音がはじまる。
「片腕だけで勘弁してあげるよっ!!」
エインディアに負けたと言っても、この使い魔の肉体は結構良いところまで行っている。
振り下ろされてくる剣はまるでわざとやってるのかというくらいの遅さで僕には見えた。
騎士の一撃と擦れ違った時には、僕の【神斬】は鞘にもう収まっていた。
騎士が再度デュケインに剣を向けようとした時、悲劇が起きちゃった(起こしたの僕だけど)。
彼の肩が落ちてしまったのだよ。
ぼとり、と乾燥的な音がして、思わず綺麗に斬り過ぎたかなって思っちゃったけど、まあこの鎖鋸で斬られて、綺麗に斬れる訳ないんだけどね。
【神斬】が斬ったモノは絶対に治すことはできない。
まあ出来るとしたら、エインディアクラスの超越者くらいかな。
エインディアは僕を襲ってきた騎士を一睨みしたらもう興味が薄れたのか、これからどうするのか僕に聞いてきた。
「さてエインディア、ギルドに行って強そうな奴と戦いに行くよ?」
「情報収集はどうするんじゃ?」
「騒がしいし、今日の所はもういいや。
ウザイ小娘はいるし怖い騎士は襲ってくるしで散々だし、またにしよう」
小娘、と言われてテレサがようやく動き出した。
というか、泣きだしている。
「うわ何あれ、泣いてるんだけど」
「あれだけヴァッサーゴ卿が扱き下ろしたんじゃ、あの年頃の娘にはちと酷というものじゃぞ?」
「え、なにエインディア、あれの味方するの?
あんな身の程知らずに?」
「まさか、わしはヴァッサーゴ卿の味方じゃよ。
まあ…少しばかり可哀想じゃなあと10秒ほど思っただけじゃ」
何気に酷いことを言う、とか全く思っていないよ?
斬られた騎士はもう顔を真っ白にして意識が失っている。
周りで僕たちの茶番劇を見ていた一部の人間が助けようと魔法で治しているけど、無理無理。
人だかりを抜けようとわざとテレサとすれ違う形で横を通っていく。
「報復に来たいのなら歓迎するよ、ただし、君みたいな存在に誰が手を貸すとは思えないけどね」
テレサにだけ聞こえるようにこっそりと伝えると、涙を流しながら僕を睨んでくる。
僕に関わらなければ、こんな酷い事にならなかったのに。
可愛そうなテレサ、お馬鹿なテレサ。
きっと君はまた来るんだろうね、懲りずにまた来るんだ。
その時どんなことを言うんだろう、謝罪をするかもう一度僕に下れと言ってくるのか。
面倒な事になってきたし、さっさとこの国からおさらばしないとなあ。
その後、ギルドで強そうな歪がいないか依頼掲示板を見た僕たちは、一週間ほど西へ行った村に凶暴な歪が襲ってきたという情報を聞き、その地に向かっていった。
残されたテレサは、騎士を1人失った責を王に問われ、一週間の謹慎を命じられた。
読んで戴き誠にありがとうございました。
デュケイン様はツンデレがお嫌い、というお話で。
現実にこういう人が上から目線で何様よ、という例を上げてみました。
まあ、ここ最近ではツンデレとか○○デレとか流行っているらしいですが、デュケイン様は正直者が大好きです。
次は戦闘パートですので、一人称ではなくきちんとした文章で書いていく予定です…一人称難しいですね。
さて、次回予告。
次回、『…また弟子?』です。
ではでは皆様、また次回まで。
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