第004話 美少女より美女
今回はかなり短めです。
デュケイン様の趣味が露呈してきました。
突然だけど、やっぱり美女っていいなーって思うんだよ。
ああ、何をいきなりって?
ごめんごめん、ちゃんと説明するから。
いや、別に男でもいいんだけどね、僕どっちにもなれるし。
とりあえず人間を元に比較するんだけど、男性の身体能力はどちらかというと瞬発力とか筋力が女性より良いんだよね。
ぶっちゃけてに言っちゃうと見た目もいかついし触ると結構硬くて楽しめないんだよね。
ところ変わって女性といえば、男性と比べると筋力とかは著しく下がるけど、外見的にもふっくらだし、意外と持久力とか生命力は女性の方が圧倒的に上位に位置するんだよ。
どこかの世界だと、平均寿命も女性の方が長いしね。
何で知っているのかって?
僕にとってそんなの当たり前なんだよ。
見ていて和むし、触ると軟らかいでお得じゃない?
まあ美少女も悪くはないんだけど、まだちょっと若すぎて少し細すぎるっていうのかな…うん、たまにアバラとかゴツゴツしててなんかね。
けど、美女だと少し違ってくるんだなこれが。
外見良し、触り心地しっとり柔らか、おまけに好意的とかどこの主人公だよって感じ?
ところで触り心地って聞いてエロいこと想像した貴方、僕がドコの事言っているのかはご想像にお任せするよ。
まあ、そんなこんなで美女がやってきたんだなこれ。
まさに理想的な、まさに桃源郷な感じな美女がついさっき竜から変身したら現れたんだよ。
外見的にも穏やか~な感じで、プロポーションも抜群、触り心地も素晴らしいんだろうなとは思うんだ。
けど…けどさあ。
「…素っ裸な上、羞恥心を憶えないのはどうかと思うよ?」
色気のない美女って、ちょっと残念と思わない?
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
3時間前
使い魔に意識を移した僕は、『観察者』の背に乗っていたんだ。
久しぶりに会ったもんだから、積もる話も結構あった。
かれこれ何千年会ってないっけ?
不老不死ってこういう時うっかりしちゃうこと多いんだよね。
なまじ長生きするから、予定を先延ばしにしちゃうのって。
まあ、ここにいる以上本来なら二度と会う事なんて出来なかったんだけどさ?
『観察者』っていうのは、まあその名の通り観察しているんだよ、世界をね。
基本的に何が起きても観察。
極端に言うと、世界が亡んだら滅んだでその時も観察を続ける。
滅んだからと言って、終わった訳じゃないから。
正直このシステムに関しては一石投じたい所なんだけどね。
何しろ『観察者』の力はその世界の最上位に位置する神に匹敵するんだから。
『観察者』の力は神王様に選ばれた三千世界の中からランダムで選ばれる。
一度選ばれれば世界が終わるまで死ぬ事の出来ない、ある意味牢獄のような役職だ。
ちなみに、元々超命種だった生き物とかはそのまま半不老不死になるんだけど、寿命が100年200年程度の生き物だと、死んだら死んだで記憶を持ったまま生き返っちゃうんだな―――超命種も同じでね。
まあ結構この役職はブラックどころかダークネスな職場でね、終わるのいつだよって感じの長い永い、切望して絶望するくらいの世界を見続けないといけないんだ。
楽しい日常だったらどんなに良かっただろう、明るい家族の幸せな毎日が延々と続いていくような普通で平和な日々というのは、三千世界の中でもとっても素晴らしい事だと思うんだ。
けど、どうしてかな。
大抵の三千世界で『観察者』達が見ているのは、理不尽で不幸で絶望で最悪しか見れていない。
たまに訪れる小さな『幸福』や『希望』とかで心が安らいでも、すぐまた墜とされる。
おかげで知り合いの『観察者』達の性格はすっかりスレちゃって、つっけんどんで、つれないんだよね。
けど、今回の事態はまあかなりの大問題。
理不尽で不幸で絶望的で、最悪世界が終わるという大大大大大問題。
おまけに『観察者』としての能力も阻害されていたみたいで、200年少し見事に騙くらかされちゃってまあ情けないったらない。
200年も一体何見せられちゃってたんだっての。
終始反省とお説教な空の旅だったんだけど、そろそろアンヌンに近づいてきたから僕は降りるように命じた。
ああそうそう、透明になっているから『観察者』のデカい図体は誰にもバレテないからね?
「…さてと、じゃあ『観察者』は適当に姿変えて。
リクエストは僕みたいな魔人系にしろ」
『お願いしないのはらしいというかなんというか…』
『いいんだよ別に』
バルが何か言ってきたけどとりあえず軽く流しておいた。
最近バルが小姑みたく煩いんだよね、参っちゃうよ。
『分かった、やってみよう』
頷く『観察者』の身体が次第に縮んでいく。
角が無くなり頭頂部から黒髪が生えてき、翼は折り畳まれて流麗な曲線美が、鱗はなくなり褐色の肌が見え、紅い瞳だけ以前と変わっていない。
…っていうか、
「何で素っ裸なのっ!?」
思わずそんな言葉が漏れたんだけど、すぐに思い出した。
竜の状態の時から素っ裸だったじゃん。
「何でと言われても…のう?」
しかもなんだか年寄り臭い…いや、実際年寄りなんだけど、何より色気がない。
お肌はシミ一つないしっとり肌で、表情は乏しいけどまあ僕ほどの美形じゃないにしても結構綺麗系な顔で、何より大きな御山も2つほどあって嬉しいんだけどさ?
残念、てこういう事言うのかなあ。
「…まあこんな事もあろうかと、予備の服を何着か持ってるんだ。
どれでもいいから好きなの選びなよ」
そういって何でも入るバック(縮小版)から数着取り出した。
『…どんな時を想定していたんだ?』
『そりゃあ面白そうなドッキリイベントとか?』
『…神王様に報告するぞ?』
『ボコるよ?』
『理不尽っ!!』
バルには後できつく言っておかないとね…うん。
「ヴァッサーゴ卿、これにしたいのだが、よろしいかの?」
指さして選んでいたのは、セーラー服…この世界に来て面白半分に僕が作った洋服だった。
「…また変なの選んだね。
自分で作っておいてなんだけど、それって元は軍隊が使っていて…」
今は女性が使っているんだよ、と言いたかったんだけど、何故か睨まれて口を閉ざしちゃった。
『…切実に報告したいんだが』
『僕の趣味にとやかく言うつもり?』
『…神王様、貴方の御子が変な趣味に目覚めてます!!』
ここで言っても仕方ないんだけどね、どうせ外部と連絡できないし。
という事で、バルの嘆願は却下♪
別にセーラー服だけ作った訳じゃないんだけどねえ。
いろんな世界の服飾作っただけじゃん…まあ、どちらかといえば女性ものが多いんだけど、男物の服作るより女物の服作った方が僕的に良いんだよね。
ちなみに、並べていたのはセーラー服以外にも着物とかサリーとか多種多様だよ?
着替え終わったので振り返ってみると、何とも言えない、色々と張った部分の多い魅惑的な感じに…ならなかった。
…部分的には色っぽいはずなのに…なんでこんな残念な事に。
「それじゃあ『観察者』…じゃなくて。
『エインディア』、いこっか?」
「うむ、そうじゃな」
久しぶりに友人の名前を呼んでみた、エインディアは久しぶりに自分の名前を呼ばれたのか嬉しかったのか、乏しい表情ながらも喜んでいるように…見える。
首都アンヌンまでの距離を、僕たちはのんびりだらだらと歩いて行った。
読んで戴き誠にありがとうございました。
えっと、はい、デュケイン様の趣味が色々と出てきましたね、ってなお話でした。
番外編だからこそデュケイン様は楽しんでいるだけで、基本真面目なんですよ…たぶんですけど。
さ、さて次回予告。
次回、『無茶ぶりにもほどがある』です。
ではでは皆様、また次回まで。
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