第003話 騎士団とすれ違いました
誤字脱字がございましたらコメントよろしくお願いします。
本年最後の投稿です。
皆様よいお年を。
あれから僕は綺麗さっぱりと村にある僕に関する記憶を改竄して、1人ムシュフシュの首都であるアンヌンへとのんびり歩いていた。
肉体もある程度大きくなったし、おニューでオシャレな服も作ったでこの辺りにおいしい素材もないようだしね。
誰とも擦れ違わずに歩いていると、どこからか馬の蹄の音がしてくる。
探索範囲は確かに広がったんだけど、運の悪い事に視界が見やすくて、気づいた時には先頭を走っている騎士っぽいのと目が合っちゃった。
―――ていうか、眼帯してるから向こうが僕に気付いただけなんだけどね。
今の僕は目の不自由な魔人族…に見えなくもない旅人。
手には白杖を持っているから、一発で目の不自由な存在っていう事には気づくだろうね。
進行方向には少し前までいた村があるから、もしかして僕の噂でも聞きつけて情報の子細を本人に聞きに来た…っていう所かな。
残念ながらまったく証拠も残っていないけどね。
お疲れちゃんっと。
邪魔にならないように街道の脇に逸れて過ぎていくのを待っていたんだけど、なぜか僕の横を通り過ぎようとせずに減速していく。
…あれ、どうして僕を無視していかないんだろ?
怪しい恰好なんて…してないよね?
「…すまないのだがお嬢さん、道を尋ねてもいいかね?」
…ブッコロシテやろうかコイツ。
目の前にいた竜人の騎士は優しそうな顔で僕に話しかけてきた。
確かに僕はすっごく可愛くてキュートで素敵で無敵な魔神様だけど、お嬢さんだって?
『…同じことを二度言っているぞ?』
バルが念話で何か言ってきてるけど、今はちょっと無視。
「…僕、男の子なんだけど?」
とはいえ、この程度で怒っていたら女神殺す前に大陸に住人がいなくなっちゃいそうだし、我慢しよ。
「…む、そうだったのか。
男の子なんて思わない位の美少女ぶりだったのでつい…いやすまん。
道中先々で情報を調べ回っていてな、お嬢…いや、坊やにも少し話を聞こうと思ったんだ」
ま、まあ僕の可愛さに気付けている辺り悪い奴じゃなさそうだし、ちょ、ちょっとだけ許してあげようかな。
「…それで、どんなことを聞きたいの?
僕これからアンヌンに行く予定なんだけど」
「お前、ベリル隊長に失礼だぞっ!!」
横から副官らしい騎士が何か言ってきてるけど、僕見た目が盲目なんだから分かる訳ないじゃん。
ていうか隊長かあ…知らぬ存ぜぬを決め込んでやりすごしていこっかな。
「…隊長?
へーそうなんだ、けど僕別にこの国の人間じゃないし、君の部下でもないんだから、敬語使う必要なくない?」
「はは、その通りだ。
見たところ人間族ではないようだし…魔人族の者か?
名前とかは聞かないから、ちょっと教えてほしいんだが…いいかな?
ウォルフ副長、お前は黙っていろ」
ウォルフという副官にそういうと、ベリルが僕に質問をしてくる。
当たり障りのないように答えていく。
「…そうか、妖精族の者はこの先の村にいるのだな。
情報、感謝する」
「いいよ別に、それより、その妖精さんと会ってどうするつもりだったの?
見た感じ結構元気なようだったから、誘拐するにしてもこの程度の数じゃあ近づくのも難しいんじゃない?」
別に読心が出来たわけじゃないけど、妖精一人にこの大所帯、明らかに怪しいでしょ。
見たところ20人弱といった所か、妖精に一体何がしたいのやら、聞きだしたいけどまあいいかな。
どうせ行ったって妖精なんて知らないで終わっちゃうんだから。
出方を窺って見るけど、ベリルは僕の顔をじっと見たまま、何を言おうか迷っているらしい。
この時点でもうベリル達騎士の連中に興味は失せちゃったんだけど、こいつらあとから情報提供者の口封じとかしそうな感じがあるんだよね。
「…ははっ、まさかそんなっ!
いやなに、この200年何をしていたのかとか色々と聞こうと思っていただけだよ。
そう…色々とね」
…決定、こいつら絶対ロクな連中じゃないね。
目が笑ってないもん。
「そっか、なら別にいいや。
それじゃあ僕はこれで行っていいよね?」
「ああ、もちろんだとも。
そうだ、情報提供のお礼に俺の部下を3名ほど貸し付けよう。
護衛にするといい」
お、きたきた口封じの為の人員が。
真面目そうな顔をしているけど、1人だけイヤらしい目で僕を見てるよ。
この調子だと、前の情報提供者もロクな目に遭ってないな。
「そういう事ならありがたく。
次の村まででいいよ、おじさん達忙しいんでしょ?
首都までは遠いし」
「そうか、それじゃあ少年またな」
…またな、ねえ?
3人の騎士を置いていくベリルはもう僕に関心が薄れたようで、3人と一瞬だけ目配せをすると不敵に笑って走って行った。
僕たちといえばベリル達が走り去っていくのを見送って歩き出したんだけど、どうにも我慢が出来なかったらしい騎士の一人がわざとらしく腹痛を訴えてきた。
「あ、あいたたたたたたたっ。
す、すまないお腹の調子があっ!!」
「ぶっふぁっ!!」
やっば、下手すぎて逆に笑えるんだけどっ!!
…おっといけない、ここは優しく介抱してあげないと。
「ん、そうなの?
しょうがないなあもう、ちょうどあっちに休めそうな所あるし、そこでちょっと休憩ね」
街道から少し離れた場所に人目が付きにくい所をワザワザ選んであげた。
まったく、まあこの超プリティーフェイス(眼帯あり)に欲情しちゃうだなんて、ワルイコダナアまったく。
そーんなイヤらしい目つきしたお馬鹿さん達には、きつーいお仕置きだぞっと。
「とりあえずその鎧とって横になってなよ。
近くに川がないか探してくるね」
「あ、ああすまない」
とかなんとか言って更に人目のつかない場所へ潜っていく僕。
いやはや、モテるって辛いねえ。
『……』
『何さバル、事実モテてるじゃん、男だけどさ?』
『いや、特に何も?』
なーんか含んでるようだけど、バルの言う事は無視しよっと。
僕の後ろを騎士たちが囲むようについてきているけど、この調子だとあと少しでエライ目に遭っちゃうんだろうなあ僕。
あっはは、かっわいそうな僕♪
と考えているうちに、騎士の一人が僕の肩をつかんできた。
「…なに?」
「いやなに、ちょっと俺たちと遊ばねえか?」
…何コイツら、ほんとに僕のカラダ目当て?
さっきまでの真面目面はどこ行ったのよ。
下卑た目で僕を見てくる騎士たちに対して、まあ僕がとる手段はまあ決まっている。
ブッコロ決定。
白杖を強化させると、騎士の手を振り払って有無を言わさず脛に白杖を横から叩きつける。
「「ぎゃあっ!!」」
あっはは、いい感じで鳴くねえコイツら。
のた打ち回っている騎士達2人の後を付けてきたのか、お腹痛いと言っていた騎士までのこのこ出てきちゃったよ。
「エッロい目で見やがって僕男の子だよまったくブサイクだから女にモテないからって男の僕に嫌らしい目で見てこないでよ」
思わず一言でまとめちゃったらプルプル震えちゃってる。
図星ってやつか、可愛そうに。
「てめえ、目が見えねえんじゃなかったのかっ!?」
「なに勘違いしてるのさ、これはお前たちみたいな馬鹿と目を合わせないために作った魔道具なんだよ。
白杖は単なる杖兼武器なだけ、こんなかわいい僕を手籠めに出来なくて、残念だったね」
脚部を強化して、僕はのた打ち回っている男たちの股間を容赦なく踏みつける。
「「ぎゃああああああっ!!」」
あはは、ガチョウの首を締め上げたような悲鳴あげちゃってるよ。
痛いんだろうなあ…うわ、思わずキュッとしちゃったよ。
『…下品』
ムシムシ、ていうか、なんか柔らかくて気持ち悪かったな。
まあこれでアレは再起不能だし、残りの人生ガンバッテネ。
「…さってと、君にも同じ目に遭ってもらわないとね。
いやー残念だなー、旅のお供とこんな形でお別れるするだなんて」
剣を抜こうとした寸前に一瞬で相手に近づいて下から白杖を跳ね上げて腰につけていた鞘ごと弾いた。
転がった騎士は右手を怪我したのか、抑えながら後ろへと下がっていく。
「今度…というか、まあどうせソレを使う機会もなくなるだろうけど、相手は選ぶんだね」
はーい、スタンプスタンプ。
「……っ!!」
悲鳴も上げずに騎士は白目を剥いて泡を吹かして失神しちゃった。
「…あれ、強く踏み過ぎちゃったかな、血が付いちゃってる」
ま、いっか。
3人をほったらかして街道に戻ると、僕は当初の目的通り、首都アンヌンへの道を急いで行った。
ていうか、あの隊長次会ったらマジブッコロね。
後日、妖精の情報がデマだったと判断したウォルフたちは、一向に帰投しない部下たちを帰りながら探していたが、見つかった時、部下たちは顔を白くさせて股間を押さえて震えていたという。
はい、読んで戴き誠にありがとうございました。
まあちょっとお下品なお話だった気もしますが、変態は成敗ということで一つ。
意外とデュケイン様は下品なことも結構平気で口にするので、とっても開けっ広げですね。
さて次回予告。
次回、『美少女より美女』です。
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