第001話 ヒ、ヒマすぎるっ!!
やってきました番外編、デュケイン様珍道中でございます。
この章は本編とはあまりかかわりません。
たまに噂で聞く程度にかかわりますが。
それでは皆様、お楽しみを。
この世界に来て早3日。
驚いたことに、歪と遭遇しなかった。
どんだけ平和だよオイって感じなんだけど、まあ別に平和が悪い訳じゃないから怒りようがないんだけどね。
この小さな姿で初めてミオル村にやって来て困ったことといえば、ここには冒険者ギルドなる施設や教会施設がないという事。
これじゃあ歪を倒した時にお金貰えないし、教会と連絡できないじゃないかっ!!
…いや、教会と連絡するのは面倒だしやめておこう。
ヨハンと会った所で今更何かが変わる訳じゃないし。
4日目になってようやく冒険者風の獣人族と竜人族が来たから、ちょっと話を聞いてみる事に。
あ、この姿結構目立つからか村に来てからの僕は結構有名人です。
困ったことに妖精族と間違われてるんだけどね。
魔神である僕が妖精って…まあ見えなくないわけだし仕方ないか。
「やっほーお兄さんたち、もしかして冒険者?」
この使い魔の風貌は僕をミニチュアにしてしたようなものだからモチロンのこと眼帯を付けているんだけど、実はこの眼帯、僕の方からはバッチリ相手のことわかるんだよね。
力についても読心が出来る訳でもないし、偵察専用な感じの仕上がりになってるんだ。
戦闘能力は…最終的には上位の歪と戦ってもぎりぎり勝てる程度だけど、道具がいっぱいあるから大丈夫。
犬系の獣人は小さな僕の姿を見て驚いている。
妖精族と勘違いされているのもあるんだけど、妖精族の特徴を聞いて驚いている理由にも気づかされた。
妖精族は基本的に国から出てこようとしないのは、なにも200年前からだけではなかったらしい。
元々全身が僕たち魔神と同じような霊的な…精神生命体のような存在らしく、他の土地で生活するのは難しいとされているらしい。
一番適していた土地がフィンヴァラだったらしく、その土地面積は7か国中最小みたい。
その周りを獣人の国シュトルンガルドが囲むように隣接しているみたいで、獣人族と妖精族の関係は友好的だったらしい。
「…お前さんは…もしかして、妖精族かっ!?」
ちなみに、妖精族って今の僕みたいな大きさが普通で、王様でも子供位の大きさくらいにしかならないらしい。
最初は妖精族じゃないと言い張っていたんだけど、もう面倒だから今では妖精族のデュケインとして名前が通っちゃってる。
「あはは、そうだよー。
結界の所為で200年ほど彷徨っていてね、ここには偶然立ち寄ったんだけど少し暇でね。
お兄さんたち暇なら僕の相手してくれない?」
竜人の方は酒を飲んでいてこっち無視してるから、こっちの獣人と話した。
まったく、こんなかわいい僕を無視するなんて、目おかしいんじゃない?
獣人の方はゲイン、竜人の方はトビーっていうんだって。
話を聞いてみると、ここから山一つ向こう側に強力な歪が巣を作って通り掛かる行商とかを襲っているらしい。
探知能力も落ちてるこの使い魔の身体じゃ元の魔神みたく何でも出来ないからなあ。
「…ねえゲイン、僕もその歪見に行ってもいいかな?
なんだったら、狩るの手伝ってあげてもいいよ?」
2人の冒険者ランクは『赤』らしい。
ウルが今『茶』だったから、能力については信用が出来そうだしね。
「だめだ」
ここでようやくトビーが僕に話しかけてきたんだけど、討伐には来るなと言ってきた。
「トビーには聞いてないもんね、でどう?
これでも200年適当にふらついてた訳じゃないし、腕にだって自信はあるんだからね?」
妖精族は魔法に特化している種族だし、強力な魔法を使ってもおかしくは見られない。
極端に強い訳じゃないこの身体だからこそある意味全力で動けるってある意味新しいね。
トビーは舌打ちしてそっぽを向いたけど、ゲインの方は思案顔をしてパーティー構成を考えているみたい。
2人とも前衛タイプに見えるし、後衛の僕が増える事で戦力になるっていう事は十分に分かっているはずなんだけどなあ。
「…まあ、いざとなれば俺たちが守ればいい話か…デュケイン、少しの間だがよろしく頼むぞ?」
「あははっ、話の分かる相手と会えてよかったよ。
よろしくねゲイン…そっちのトビーも、一応だけどよろしくっ!!」
舌を出してベーってしたけど、そんなに反応してくれなかった。
なんだよ、すかしちゃってなんかムカつくなあ。
という訳で、即席パーティーが完成して、僕たち3人は標的の歪を倒すために前途を祝して乾杯する事になった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「…で、バルはこの2人強いと思う?」
意識を『管理者の間』に戻してバルに感想を聞いてみた。
言いつけどおりに、バルは少し前まで元気に動いていた食材を使ったスープ作りをしていた。
現在進行形で使い魔5人衆は頑張って散らかしちゃった歪たちを掃除していた。
「…今の戦神の邪魔にならない程度にはちょうどいい構成と思うがね」
バルは嫌味ったらしく僕の事を『戦神』ってたまにいう。
まあ、確かに僕も昔はよく戦争とかして負け知らずで一時期そんな呼び方されていたけど、もうちょっとマシな呼び方なかったのかなー。
たとえば、『閃光の刃』とか『無限の闇』みたいなオモシロ2つ名でもよかったんだけど。
だってさ、『戦神』って僕の可愛いイメージと合わないんだもん。
「『神言』使えるようにしてるから、どんな相手だって超楽勝だもんね。
あのすかしたトカゲに目に物言わせてやるっ!!」
「…仮にも仲間にそんな物言いは良くないと思うのだが…まあ好きにするといいよ。
目立ちすぎて面倒な事態を起こさないでくれればそれで」
溜息をついているバルはそういうと黙ったまま寸胴鍋をグルグルと混ぜ始めた。
ウルの方も確認してみると、今の所面白おかしくことを進めているみたい。
危ない事もしては…いるけどまあ心配ないや。
弟子もどきの獣人2人は結構がんばってるみたいだけど、力も付けてるみたいだし特に言わなくてもいいね。
「それじゃあバル、僕また向こうの方に意識向けておくからよろしくねー」
「はいはい」
ぞんざいに見送られて、僕は夜も更けていく村に戻っていった。
読んで戴き誠にありがとうございました。
さて、妖精バージョンなデュケイン様ですが、この章はデュケイン様がすっごく活躍し続けます。
何かというと騒ぎを起こして小競り合いとかしまくるので、作者の拙い語彙を荒らしていくという…いえ、なんでもありません。
さて、次回予告です。
次回『無双の意味って知ってる?』です。
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