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第6話:優しい声

    読み終わった手紙を一弥さんに渡した。    「この手紙捨ててください」

「いいの」

「いいんです」

    明は就寝時間を過ぎても恵理からの手紙の内容が頭から離れなかった。     その日は一睡も出来なかった、明にはいつもの元気は無かった、明を見ていた一弥さんが

「あの手紙が忘れられないのかい?」

「はい」

「辛いことは時間が忘れさせてくれるから」

     明は時間が忘れさせてくれる事を心の中で祈っていた。     それからまた月日が流れた明は空を見ながら

「少年院来て3年が経ったなぁ」

独り言だ。      だが明はあの手紙を忘れることは出来なかった。頭の中は恵理で一杯だった。      明は訳もなくただ歩いていた、すると後ろから

「明君また会いに来た人がいるけど」

その声は一弥さんだ。

「僕にですか?」

「そうだよ、君に会いに来た人だよ」

    一弥さんに案内されてある部屋に来た。明は扉を開けるとそこには・・・恵理がいた。明は今1番話したくない人だった。    「明元気にしてる?」

明は応えなかった。

「明、私ね・・・」

明は立ち上がり一弥さんのところに行った

「もういいですか?」

「良いけど、話しなくていいの?」

「いいんです。もう話したくないから」

   明はその言葉を言い残し部屋から出ていた。   部屋を出ていった明は泣いていた。一弥さんが

「あの子はもう帰らした」

「ありがとうございます。一人にしてくれませんか?」

「わかった」

一弥さんはその場から去って行った。     明は何も考えたく無かった、少年院に初めて入ってから1日が経つのが長すぎるぐらいに感じていた。そのまま明は自分の部屋に戻り食事もせず寝ていた。    明は唯一寝ることで時間が早く感じることが出来た。そんな日々が続いた、ある日一弥さんから突然

「明君、明日から少年院を出て普通の生活が出来るよ」

それは本当に突然だった  「明日?」

「そう、明日だよ」

「突然ですね」

「明君に少年院を出ていい許可が出たんだよ」

「分かりました」

話を済ませると一弥さんは去って行った    だが明は少年院の生活の方が好きだった。    そして次の日の朝最後に一弥さんの所を訪ねた。

「一弥さんありがとうございました」

「もうこんなところに来たら駄目だぞ」

明は涙をこらえて

「はい」

と深くお辞儀をした。3年振りに外に出た。    明は行く当てもないまま歩いていた、実家に帰ることに決めた明は公衆電話から母さんに電話した。受話器の向こうから呼出音が鳴っていた。

「もしもし」

3年振りの母さんの声だった

「明だけど、母さん元気にしてた?」

「明?本当に明なのかい?」

「そうだよ。今少年院を出たんだ」

「そうかい、なら早く帰っておいで」

明は母さんの声に涙が止まらなかった。   明は母さんの待つ家とは逆方向に歩きだした

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