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泣かない空

「日曜日ヒマか?」


秋風と別れ、一人で登校し教室に入るとすでに仲春の姿があった。


「とうとつになによ…きのうサボったくせに…」


昨日は七夕と鳴神の仕事に同行したらしい。


「サボってねぇよ代わって貰ったんだよ。そんなに疲れたのか?」


仲春はいつも以上に眠そうな顔をしている。


「ええそれはもう。愛逢めであい先輩は面倒くさがって、全部私に封印しろって言ってくるし、涼暮さんは銃を乱射して危ないし…」


安易に想像できる光景だな。


「それはご愁傷様です。」


「ええ、それで日曜日がなにかしら?」


「日曜日ヒマか?」


俺はもう一度その言葉を繰り返す。


「燕去。私はヒマって言葉が大嫌いなの。ヒマってなんなの?時間を無駄にするなんてかんがえられないわ。なによ暇つぶしって。信じられない。二度と私の前でその言葉を口にしないで頂戴。」


─時間とかあたりまえなものの大切さって、失わないと気づけないよ。


ああ、失ったこいつには時間の重みをとても理解できているんだろうな。


「わるかった。日曜日、時間取れるか?」


「日曜日はこれと言って用事はないはね。なにかあるのかしら?」


俺は母親、月見さんからの言葉をそのまま仲春に伝えた。


「残念だわ。手がかりをひとつ失うなんて。」


「はい?」


月見さんの言葉を伝え終えると仲春が突然わけのわからないことを言い出した。


「燕去、私が誰かに気に入られる性格をしていると思う?」


「いや、まったく。」


「そう、私は自分で言うのもなんだけど、お世辞しか言えない人間すらフォローできないほど、人とうまくいかないわ。」


「見たらわかる。」


なんせ氷姫なんてたいそうなあだ名をいただいてるぐらいだからな。


「燕去のお母さんも人よね。じゃあダメね。あきらめて他の方法を探しましょう。」


「ダメモトでくるだけ来てみないか?」


「ダメモトでも人に嫌われるのはあまり気分が乗らないの。」


仲春は少し暗い顔になる。


「大丈夫だ。あの人は人間じゃないと思えばいい。」


「クスッ。なにそれ。」


「とりあえず、来てくれよ。」


「うん。行くだけ行ってみるわ。」


俺は仲春と日曜の約束をした。


「そういえば燕去、今日はあなた仕事は?」


「今日はちゃんと出勤しますよ。」


昨日は七夕に変わってもらっちゃったし。


「そう、私も行くわ。」


「そうか、じゃあにぎやかになるな。」






「今日はどうするの、はる。」


秋風あきかぜ。今日はお前の兄さんが出勤なんじゃないのか?」


「確か、今日は仕事のはずよ。」


「それなのにやるのか?」


「大切なものを守るためだから。」


「─そうか。」


黒い髪の少年、はるは少し赤の入った髪の少女秋風あきかぜと悲しい目をしながら空を見上げた。


「今日も空は泣かないのね。」


「ああ。」

ボイスドラマ化企画。


この小説、1日23時間の君へ紅蓮のつるぎを捧げましょう。がボイスドラマ化しますよ。


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詳しくは

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2011年11月15日まで募集しています。


よろしくお願い致します。

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