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短編童話シリーズ

作者: 敬愛

暑い…… 暑い……

窓を開けたい しかし網戸が付いていないのだ


すると蚊が入ってくる可能性がある

蚊取り線香でも焚けば良いのだろうが

僕は死んだお母さんとの約束があるのだ


子供の頃蟻の巣に爆竹を詰め込んで爆破して遊んでたら

お母さんに「一寸の虫にも五分の魂よ」

と言われ、凄く興味深く何それ! 何それ! と聞いた覚えがある


それ以来僕は自転車に絡みついている蜘蛛の糸があれば

雨が降るまで待ったし 大学での虫ではないが蛙の解剖の時には

「心臓は止めてください!」と懇願して縫合してやったし

それはそれはみんながアホ呼ばわりする程生き物全般殺さなかった


今僕の二の腕には蚊が止まっていて僕が身じろぎもしないで

血を吸わせてやっている


この際だから暑いのは我慢出来ないので窓を開けた

なんか寝苦しい夜でイライラしていたんだ

だって蚊が五匹くらい入って来てみんなチューチュ-

僕の血を吸っているんだ


一匹の蚊が顔に止まった瞬間「パチン!」と手が出た

手の平には真っ赤な僕の血が……


お母さんゴメンネ 約束破っちゃった


霊前に報告した後 次の夏からは全身蚊に刺された痕を残し

毎日出社する僕 「あーO型に生まれるんじゃなかったー」と思った

しかし僕は悟りを開いたので網戸は付けずひたすら蚊の為に今日も

美味しい血を心臓から送り出している

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