鈴の音
ミン… ミン…
蝉が泣いている。
ここはどこだ?俺は何故ここにいる?
周りを見渡しても真っ暗で鈴の音がなっていた。
チリン─ 足音が聞こえる。
チリン──
背後に気配がある。背中に汗が伝った。
これは人ではない。 耳の直ぐ側で音が鳴る。
それは死を感じる程の。 チリン─…
俺は目が覚めた。窓から朝日が差し込んで来る。
気味の悪い夢を見た気がする。
ミン…ミン…ミ──… 外では蝉が鳴いていた。
家にはもう誰もいなかった。両親は共働きだ。
俺は「もうこんな時間か、」と夢の事を忘れようとテレビをつけ、母さんが用意してくれた朝食を食べ始める。
『高校2年生の…4年経ち──…』ブツッ。回線が悪いのかテレビの電源が落ちてしまった。ふと時計を見ると遅刻する時間帯だった。俺は急いで準備し、家を後にした。
──家の前には蝉が死んでいた。
ミ…ン──…ミン──
学校に向かっているが「何かがおかしい…。」
人影が見えない──。
そう言えば自分の足音が聞こえない。
鳴いているのは蝉だけだった。
空も暗くなっている。
次第に真っ暗になっていった。
──これは現実じゃない。
…目が覚めた。目の前が真っ暗だった。
後ろからチリン。と鳴る。
今のが本当の夢だった。夢を見ていたかった。
俺はさらわれた。首には鈴がついている。
何かが壊れる音がした。
ずっと暗い場所にいる。
ずっと明るい場所にでたかった。
もう何年だろう。今は何年だろう。
蝉が鳴いている。蝉が泣いている。
チリン──…




