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5杯目 幸せな時間

5杯目 幸せな時間


幸せの形はいろいろありますが、今回はアイドルをテーマにしてみました。

 私は生粋のアイドルヲタクだ。

朝はスマホを開くとSNSを見ていく。推したちの投稿、グループの投稿、事務所の投稿、レコード会社の投稿、テレビ番組の投稿を確認する。そして1日のスイッチが入る。移動中はYouTubeでステージ、メイキング、MVなどを初めて見るように楽しんだり、ブログを読み返したりファンの投稿見ながら推しについて情報収集をしたり、一日中推しに人生を捧げた生活をしている。

とあるオーディション番組では審査員でもある事務所の社長がアイドルとはI (私/僕)dol(金)存在が金になるということ。だから煌びやかでないといけない。煌びやかになるにはダンス、歌唱、パフォーマンスができてファンを集め飽きのこない個性を人柄、作詞作曲で魅せていく必要があるだと。ファンクラブに入会してる私はとてもしっくりきたしそんな自分を嫌に思わなくなった。

 私の推しはあまり人気なメンバーではなく、性格があまり受け入れられなくてアンチファンがたくさんいる。作詞作曲の才能があるのに性格が受け入れられずイケメンなメンバーとも呼ばれないから劣等感を抱いていて、ライブ配信ではよく弱音を吐く。そんな姿を見せながらも素敵な曲で楽しませてくれる色んな世界を見せてくれるから、大好きだった。

“ニュース速報です、アイドルグループのメンバー〇〇さんが今日未明、遺体で発見されました。練炭による自殺として捜査が進められてます。“

嘘、、。嘘だ、、。

私の人生が真っ暗になった。まるで自分も死んでしまったような喪失感。この先、どうやって生きていけばいいのか。今日、生放送、、。居ないってこと?

音楽番組が始まるトリに推しのグループが出てくると作り笑顔でパフォーマンスをする彼ら。辛い状況でも仕事をやり切る姿はプロだなと圧倒された。けれど空白のあるダンスやパートのたびに涙が溢れた。

 亡くなった彼は、精神疾患を患っていてカウンセリングや薬物療法をしていた。発達障害と鬱病だとよく話していて、今更、どう向き合って生きていけばいいか分からない。苦労した努力した過去を無駄にするような気がして薬がなかなか飲めなくて通院も1人で行くのは気が引けてしまって。だめだなぁ〜と眉を八のじにして笑いながら髪をかき分けてワインを飲みながら生配信をしていたことがあった。

自分が変わりたいと思って生活の息苦しさを相談しに心療内科へ行った彼に影響されて、学校では勉強についていけずコミュニケーションが苦手でいじめられていた私は彼と同じく息苦しさを感じていて勇気出して心療内科へ行き診断をもらった。軽度の知的障害と発達障害の診断だった。そして、少しずつ自分も変化して行ってそれが楽しかった。

 数日後、彼の葬儀の映像が流れ、たくさんのアイドルグループが参列をしていて彼はこんなにも愛されていたのに、、。SNSは亡くなって悲しむコメントと辛辣なコメントがドロドロと混ざり合っていた。

コメントを読みながら亡くなった現実を受け入れていこうと努力しても楽しかったコンサートやファンミの思い出が過ぎってまだ生きていて欲しかったとなかなか事実を受け入れられなくなってしまって、主治医から離れることを勧められた。

 数年後。

私の趣味は映画鑑賞と役者を追いかけることになった。アイドルヲタクの感覚は抜けず遠征も舞台挨拶や試写会にも参加して幸せな記憶をどんどん埋めていく。映画という2時間で終わる壮大で美しく儚い魅力と役者の芝居という人が成せる芸術を楽しむようになり芝居の学校に通うようになった。

 「おぉ〜!新作か!」

好きな配給会社の投稿で流れて来た映画の予告を再生した。美しく高校生の青春映画が始まった。主題歌は亡くなった推しのソロアルバムにある大好きなラブソングで、監督がその曲を元に映画を制作したと字幕で出てくると、走馬灯のように玉手箱に閉じ込めた思い出が溢れ出してきて、声を出して泣いた。

「ごめんね、逃げてた。背けてた。人生で幸せだったのはあなたと過ごした時間だった。ごめんね。」


亡くなってしまっても楽しかった時期の曲や動画を楽しむのが供養だと分かった。

読んでいただきありがとうございます!


重い話が続いてますよね、、。

明日は軽い話にしたいなと、考えてます!

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