3杯目 恋人はウイスキー
3杯目 ウイスキー
お酒が好きな方なら分かる感覚かもしれないです。
お酒以外だと、コーヒーや紅茶は擬人化して楽しんだりしてます。
お疲れ様です。と空元気に笑顔で挨拶をすると足早に職場を後にした。空を見上げると明るすぎる街並みのせいか星が一つも見えない。僕の心みたいに真っ暗だなぁ〜。とほくそ笑むと家までの帰り道にあるスーパーへと向かった。イヤホンをつけると明日から休みだからと明るい曲を流した。街中を歩くと、週末ともあって仲良しそうなグループが会話に花を咲かせながら歩いている。いいなぁ〜。口下手な僕には夢のような人間関係だなと自分に唾を吐くと、次は男女のカップルが目に入った。恋人だなぁ、、。奥手すぎる僕には片思いからの失恋がちょうどいい身分なんだろうな。捻くれすぎた自己嫌悪に明るい曲が心をどんどん掻き乱していく、、。電車に乗ると、読みかけの文庫本を開いて電車に揺られていく。明治や昭和の文豪は僕みたいな人が主人公だったりするから1人じゃないんだなぁと自己肯定感が高まる。最寄りに着くとスーパーへよりカートにカゴを乗せて今日の仲間たちを探しにいく。よく数少ない地元の友人たちが言うのが、お酒は人間だという僕の価値観だ。親友はビール、恋人はウイスキー、友人は焼酎とジン。今日は愛が欲しい気分なので切らしたウイスキーの瓶をカゴに入れいき、檸檬、水、氷、炭酸水と手癖のように入れていく。若い頃はワインとか日本酒を飲んだりしていたが甘いチョコレートとジントニックを嗜んだ次の日に酷い二日酔いになったきっかけで甘いお酒やお酒に甘いものの組み合わせは酔いがまわりやすい体質になってしまった。幸せだったなぁ〜と苦い思いでにふけながら切らしていたのでジンもカゴに入れた。つまみは〜、、。安くなった惣菜とスナックをカゴに入れ少し食材を追加して会計をした。これは幸せの重みだといい聞かせてヒーヒーいいながら家へと向かった。
キッチンに来ると、荷物を床に置き冷蔵庫から缶ビールを取り出すとプシュと開けグラスに注ぐとぐびぐびと3分の2ほど飲んだ。
「はぁ〜。うま。」
ビールグラス片手にリビングへいくと習慣的にレコードを探っていく。パタパタと見ながら、とりあえずはジャズかなぁと残りのビールを飲み干すと近くのテーブルにグラスを置いてレコードをかけた。キッチンへ戻り簡単なつまみと冷凍庫から餃子をだしレンチンをしスーパーの惣菜を皿に移していく。お盆にまとめていくとリビングのテーブルに置いてウイスキーとピッチャーとグラスを準備していく。
カラカラとグラスに氷を入れてウイスキーと水を注いでやっと出会えたねと嬉しい気持ちで一口。
息を止め口に含み飲み込むと息を鼻から吐く。そのあと口からも吐いてまた吸う。つまみを挟みながらウイスキーと向き合っていく。会話はないジャズが流れていく中でウイスキーの香りを楽しみながら会話のない会話をしていく。香りがまるで恋人からのスキンシップのように身体に回ってまとわりついていく。数時間後。ジャズからクラシックに変えると水割りや炭酸割りからロックに切り替える。本棚から気分で読みたい本を選んで数冊テーブルに置いていく。今日は漫画の気分だった。選んだラブコメは彼氏一筋な鬼の姿をした彼女と浮気者な彼氏の物語。こんなにも可愛いのに浮気するなんて罪な男だなぁ、、にしてもいつ見ても可愛いなぁ。まだ愛に飢えてるのか、浮気者!と言わんばかりにツンとアルコールを感じるウイスキー。
それは僕も同じかぁ〜と笑いながら読み進めていった。
僕の仕事は不安定で安定してる今がどのくらい続くのかわからない。だから苦労した時期を思うと安定している今は終わるかもしれないと不安になることがある。クラシックからUKロックのレコードに切り替えて流していく。感情を表現してレパートリー増やしていって、日々の練習も大切だし、感性を豊かにするために音楽と読書以外にも映画とか舞台だとか知ることも勉強だ。人脈を広げるために猪突猛進で話しまくったりとか、、。ありがたいことに、音楽の仕事が始まることになった。趣味が仕事になることはありがたいことだなと漫画を閉じて周りを見ると立てかけたアコースティックギターを手に軽く弾いてみた。作曲や作詞もしたいなぁ〜。夢が広がるね〜。
にひひと笑いながら、一口ウイスキーを飲むと元気なった?明るくなったんじゃない?と甘い香りが身体を包み込んでいった。
「そうかもしれないな」
数時間またゆっくり過ごすと、夜中3時を回っていた。ベランダに出ると細い三日月が笑ってるように見えて暖かい気持ちになった。リビングのソファに横になり幸せな気持ちで眠りについた。
初めて飲んだお酒は何ですか?
私は角ウイスキーです。とある声優さんのラジオで角ウイスキーが好きだと話していて、絶対に最初にのも!と決めて350mlの缶を2時間くらいかけて飲んだのが思い出です。




