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2杯目 夜のラジオ

2杯目 夜のラジオ

 声優のラジオと推しと人生についての物語です。

 今日は月1の夜10時から始まる生配信の声優ラジオの日。男性のパーソナリティは酒を飲みながらゲストとファンと語り合う参加型のラジオ。ゲストも飲酒ができる人は一緒に飲むこともある。仕事終わりに買ったコンビニのカップ惣菜を冷蔵庫から取り出し、缶のハイボールをグラスに注ぎ今日のラジオはどんな会話が飛び交うのかワクワクしながら準備を慣れたように進めて行く。パーソナリティの2人同じ事務所の先輩と後輩でラジオが始まったばかりは不器用な先輩が空回りをしてぎこちないラジオだったけれど今は2人の関係が親友のように打ち解けて独特の空気感がゲストやファンを包み込む個性的なラジオになった。リビングのテーブルにおつまみを並べてグラスと箸とお盆に並べてゆくともう少しで10時になる時計を眺めて一口ハイボールを呑んだ。

 乾杯〜!とパーソナリティの2人が楽しむぞ〜と気合いの入った明るい声で言うと乾杯の言葉でチャットが埋め尽くされていきラジオが始まる。オープニングトークではいつも近況だとか季節に合う話が始まる。私はパーソナリティの先輩のファンでグッズだとかCDだとかアニメ、ゲーム、全て追ってる。そんな先輩に後輩は少しいやらしく話を始めた。

「〇〇さん、最近、大忙しですよね〜?一緒にいれる時間が少なくなってしまって私寂しいんですよ〜?お仕事でしかお会いできないですし。」

「そんなこと言って奢ってくれとかでしょ〜!もーう。てか、今日、昼食べたじゃん!俺奢ったし!」

「あれ、そうでしたっけ?いやー美味しかったですよね中華!また行きたいです!」

「仕方ないなぁ〜」

優しい人だなぁ〜。優しいし、素直だし、好きなことにはお金と時間を惜しまない人生を楽しんでいて、仕事はファンのためならといろいろな仕事をして努力を積み重ねていける努力家でけどそんな自分ひけらかさない性格。役者は自分との戦いだと言わんばかりに一匹狼になる。そんな彼が大好きでファンになった。

 職場にも声優好きはたくさんいてよく間に入って話をしていたことがあった。なぜしなくなったかというと、私の推しを知ってる人が少ないというか名前ならわかるかも程度で知らない人が多かった。こんなにも毎日忙しくて、人気声優だと思い込んでいたのにと衝撃だった。ただその推しの親友になる後輩声優たちは誰もが知る人気者で、推しが霞んでしまうなと納得した。

 SNSの通知が入り確認をすると、”初めて1人でラジオパーソナリティをする特別ラジオが始まります!一カ月限定ですが僕らしいラジオの企画を準備してるので楽しみにしてください!お時間ある方は一緒に楽しんで盛り上げていきましょう!”と投稿がされていた。おぉ〜。時間はえ〜っと、、夜中3時、、。30分プラスアフタートーク30分、、1時間。嘘、、。やっと彼を独り占めできるような嬉しさと朝のような夜中にやる時間が仕事に影響出ないかなと不安になり複雑な気持ちになった。数分悩むと、仕事の質が落ちてもクビにはならんだろうと開き直って貴重な一カ月を楽しむことに決めた。

 ラジオは彼らしい暖かくも素直すぎる性格が和やかな笑いを誘う癒しのようなラジオだった。最終回は企画は無しでメールテーマも無しで雑談とメールをひたすら読んでいくことになった。「声優かぁ、、。ふつーにカッコイイだとかアニメ好きだなぁみたいな感じで声優の学校に入って、芝居って面白いなと思って今も続けているから、有名になりたいだとか人気なりたいだとかそういうのは無いんですよね。こんな好きなことで生きてる僕なんで。けど、そんな僕を応援してくれる方々がいるから好きなことを続けていけてるのでみなさんにとても感謝しています。」

好きなことに生きるかぁ。

本人はそういうのを望んでいるのだと勘違いをしていた。好きなことはたくさんあるけど仕事にできてないし彼の芝居のように正面で向き合える何かにで会えるのだろうか。

 数年後、彼から距離を置いて自分探しを始め久しぶりに彼の様子を覗くと変わらない姿でお酒持ちながら笑う投稿が流れてきた。有名作品には出演するものの脇役ばかりやる現状は相変わらずで、推していた20代の時と変わったとすればもう40歳に近づいてる彼は少し丸い体型をしていて歳をとったのだと実感するような姿をしていた。彼は変わらず好きなことして声優を楽しんでるようで安心した。私は絵なら向き合えるかも自信がつき個展のお誘いを受けるように最近なってきた。彼に追いついたような気がして嬉しくなった。

実話をもとにしたフィクションです。

お酒飲みながら推しと時間を共有する。

こんなにも幸せなことはないですよね〜。

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