表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【全年齢】変わりモノ乙女ゲームの中で塩対応したのに、超難易度キャラに執着されました【本編完結】  作者: あざらし かえで
第九章 真ハピエン後の追加エピソード

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

103/118

100.僕のモノ

 いつの間にか眠ってしまっていたらしい。

 気づくと、ラウディの腕の中にすっぽり収まっていた。


「ラウディ?」

「ハル……起きたの?」


 頷く代わりにラウディへ身を寄せると、額に唇が落とされた。

 何を言っていいのかも分からずに黙っていると、今度は髪を梳くように優しく撫でられる。


「これで……ハルは僕のモノ」

「なっ……」


 いつの間にかいつものラウディに戻っていて、ペースを崩されっぱなしだ。

 でも、後悔はしていない。


「……俺は、ラウディのモノになったんだよな」


 ラウディに力強く頷かれると、余計に実感してしまって恥ずかしくなった。

 ラウディの執着心にはじわじわと気づかされてはきたけれど、まさかこんなことになるなんて。

 俺自身が一番驚いている。


 +++

 

 最初はどうリアクションを返せばいいのかとか、余計なことを考えていたけど……ラウディに触れられていくうちに考えている余裕がなくなっていた。

 ラウディの暗緑色の瞳は俺のことだけを求めていて、見つめられていると抵抗する気力も奪われていく。


 最後までするのかって思った時は不安すぎて緊張してぎゅっと目を瞑っていた。

 往生際が悪いのは分かってるけど、怖いものは怖い。

 だけど……ラウディが優しくしてくれて。それで……あっさりと、だもんなぁ。


 妙に器用で手馴れているのは仕様なのか?

 乙女の妄想が詰まったゲームだからとか……?

 色々考えている余裕があったりなかったりだったけど、俺がひたすら恥ずかしい思いをしたことは間違いない。


「んなとこ食べても、美味しくないから……」

「そんなことない。ハルはどこも甘くて美味しい」


 とかなんとか言ってたし。思い出しちゃったよ、もう。

 俺はラウディのデザートになっちゃってるし! 

 いや、もっと別の言い方があるのかもしれないけど……でも、文字通り食べられてるって感じだったんだよな。


 「分かってる。俺に全部任せて?」


 って、ラウディが言ってた時は……本気になると僕から俺に変わるんだなって気付かされた。

 俺モードの時のラウディは執着度が半端ないだろうから、聞こえた時には色々な意味で腹をくくっておかないとな。

 ……忘れそうだから、また確認した方が良さそうだけど。

 今回も……今までで押しが一番すごかったし。何がとは言わないけど。


 +++


 でも……ラウディと本当の意味で打ち解けられた気がする。

 これがきっと、二人が溶け合って一つになるってことなんだ。

 だから、行為自体が恥ずかしくてもいつかきっと慣れる……のかな。

 

 だって、今も心はぽかぽかと温かいままだ。

 ラウディの熱に答え続けられるかは分からないけど、できる限り答えていきたい。

 ……恥ずかしぬから、控えめにとはお願いしておかないとな。

 

 今、この瞬間もラウディはしっかりと俺を抱きしめたまま、満足そうだ。

 肩口に顔をすりすりと擦りつけながら、俺自身を堪能しているとでも言えばいいのかな?

 自分で言っていても恥ずかしすぎるけど、事実……なんだよな。


 「……これからも一緒にいような」


 恥ずかしすぎて小声で呟いたのに、ラウディに聞かれてしまったらしい。

 ぎゅうぎゅうと抱きしめてきて、無言の承諾をされてしまったようだ。

 それが俺の素直な気持ちだから別にいいんだけど……付き合ったばかりの恋人同士みたいな台詞だよな。

 可愛い子が言えば可愛いなで済む話だけど、俺が言ってもなぁ……。


 でも、ラウディは喜んでくれているみたいだし……いいか。

 ラウディのキス攻撃にも慣れつつある俺は、どこまでもラウディのペースに巻き込まれてしまっているかもしれないな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ