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異世界から来た美少女と自宅でまったりダンジョン運営する話  作者: 猫野 ジム


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第49話 ラスボス登場?

 転移の経験者、それはエリンのお父さんだ。


「確かにエリンのお父さんに話を聞くことができればそれがいいけど、そんなことできるのか?」


「えっと、どうでしょうか。今の私ではお父様にあわせる顔がありません……」


「そんなことないって! エリンは交流戦で立派な成績を残したじゃないか。きっとお父さんだって喜んでくれたはずだ」


「そう……ですよね。きっとそうに違いありません!」


 無責任で気休めかもしれないけど、エリンは日本という見知らぬ世界で不安な中、一人で頑張ったんだ。だから報われてもいいじゃないか。


「アナスタシアさん。もしかしてお父さんも、過去にエリンと同じような体験をしているんじゃないですか?」


「どうだろうか。私自身は今まで聞いたことがなかったな」


「だったらなんとかしてお父さんから話を聞くことができませんか?」


「それなら大丈夫だ」


「本当ですか! ぜひお願いします。って、俺が勝手に決めたらダメか。エリンはどうしたい?」


「私はもちろんお父様に会いたいですっ!」


 そうだよ、家族なんだから会いたいに決まってる。野暮な質問だったかな。


「というわけなのでアナスタシアさん、お願いします」


「分かった。それでは父上、こちらへ」


(えっ?)


 アナスタシアさんは俺達以外の誰かに向けて話しているようだった。

 そしてアナスタシアさんが画面の端に移動して、その空いたスペースに男性の姿が映し出された。


 40代半ばくらいだろうか。異世界アニメに出てくるような貴族っぽい服装。髪の色は金。長さは短め。そして綺麗に整えたひげ。


 まだ一言も発していないにも関わらず、どこか威厳を感じさせる。威圧感ともいえるだろう。

 この人がエリンのお父さんだと俺は確信した。まあアナスタシアさんが父上って言ってたけど。


「お父様……っ!」


 俺の隣にいるエリンが画面に向かって大きな声を出した。画面越しとはいえ、エリンにとって会いたかった人に会えたんだ。

 本当なら今すぐにでも駆け出したいくらいなのだろう。


「エリン……少し見ないうちに立派になったな……!」


 エリンのお父さんの声が少し震えているように思えた。きっとお父さんだってエリンに会いたかったに違いない。


 だけど……。俺の中ではどこかスッキリしないのも事実。そもそもエリンに家を出るように命じたのはこの人なんだから。


 そりゃあ家のおきてというものだってあるだろう。でもそこに無関係の俺が口を挟むのは筋違いというもの。


 何よりエリンが本当に嬉しそうにしているんだから、わざわざ俺が余計なことを言うのは間違いだ。


「もしかしてあなたがミカゲさん、でしょうか?」


 不意に俺の名前、しかも下の名前を呼ばれて俺は反応が遅れてしまった。

 声の主はエリンのお父さん。明らかに俺のほうが年下なのに敬語だ。貴族の振る舞いは分からんけど、少なくとも偉そうにしていないというだけでも好感が持てる。


「はい、そうです。はじめまして」


「私はここにいるアナスタシア、そしてそちらでお世話になっているエリンの父、エバース・リーンベルという者です。アナスタシアから聞いております。この度はエリンが大変お世話になりました。心よりお礼を申し上げます」


 エバースさんはそう言い終えると、俺を見て深々と頭を下げた。


 正直言って俺が抱いていた印象とは全く違っていた。もっと自分勝手で人の話を聞かない人なんじゃないかと思っていたんだ。

 なんだろう、異世界アニメの見過ぎか? アニメに出てくる貴族ってロクなことをしないイメージがあるんだけど。作品によるか。


「いえいえそんな。俺のほうこそエリン……さんにはお世話になってます」


「事情はアナスタシアから聞いております。実は私もダンジョン間転移のマスタースキルが使えるようになる少し前に、見知らぬ場所へと望まぬ転移をしたことがあるのです」


 俺がふとアナスタシアさんを見ると、ドヤ顔だった。そうですね、剣聖姉さんグッジョブです。

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