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異世界から来た美少女と自宅でまったりダンジョン運営する話  作者: 猫野 ジム


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第47話 剣聖姉さん、動いてくれてました

「もしかしたら私、元の世界に帰れるかもしれません」


 仕事から帰った俺にエリンが衝撃的なセリフを言った。


「本当か!?」


「はいっ! お姉様がそうおっしゃいました」


 そう言ってからエリンは画面へと顔を向けた。そこには初心者ダンジョンの中で興奮しているように見える、アナスタシアさんの姿があった。


「アナスタシアさん、エリンがそっちに帰れるって本当ですか?」


「まだ可能性があるという段階だ。エリンが転移魔法の研究開発の事故に巻き込まれたかもしれないという話をしたことを覚えているか?」


「確かリーンベル家の敷地内に研究所があるんですよね」


「ああ、そうだ。そしてエリンは自室にいる時に異世界(にほん)へ転移してしまった。そのことから、リーンベル家の研究がなんらかの影響を与えてしまったのではないかと私は考えた」


 もし本当にそうだとしたら間接的とはいえ、リーンベル家が自らエリンを日本に転移させてしまったことになる。リーンベル家の人々にとって、それはなかなかに耐え難いものだろう。


「だがそうではないようなんだ」


 その言葉を聞いた俺は安堵(あんど)した。少なくともリーンベル家が責任を負うことではなかったのだから。


 エリンのお父さんだって、エリンに異世界(にほん)に行ってほしいとまでは願っていなかっただろう。

 俺の予想だときっとお父さんだって心を痛めながら、エリンに家を出るよう指示したに違いない。


「それなら他に理由があるということですね?」


「ああ。これはその、言いにくいことなんだが……。エリンが異世界(にほん)に転移した原因はエリンにあるかもしれない」


「私に……ですか? でも私には心当たりがありません」


「もちろんエリンが悪いわけじゃないよ! むしろこれはいい兆候というか、さすがエリンというか……!」


 アナスタシアさん、素が出てますよ! なんで俺に対する態度はずっと変わらないのか若干不満に思いつつ、俺はエリンの代わりに質問する。


「いい兆候ってどういうことですか? エリンが凄いみたいな言い方ですけど。いや実際エリンは凄いですけどね」


「実はエリンのマスタースキルが関係しているようだ」


「エリンのマスタースキルって、モンスターとか宝箱とかの『改変』ですよね。それと今回の転移と何の関係が?」


「エリンは18歳になってもマスタースキルを使えるようにならなかったわけだが、実はそうじゃなかった。どうやらエリンのマスタースキルは開花する途中だったんだ。エリン、『改変』のマスタースキルはどうやって身に付けた?」


「どうやって、ですか? 確か初心者ダンジョンをマスターと作っている時に、マスターからモンスターのステータス変更を頼まれけどお役に立てませんでした。ですがその直後、なんだか力が湧き上がる感覚がしたんです。頭の中にバーッと『改変』する方法が浮かびました」


「言い換えれば突然、というわけだ。ところでエリン、『転移』のマスタースキルは実在すると思う?」


「実在するもなにも、お父様がダンジョン間を転移できるマスタースキルを使えますよ」


 そうだ、確かエリンの話ではお父さんのマスタースキルは、ダンジョン間なら一瞬で移動できるというものだ。それってつまり転移魔法とも呼べないだろうか?


 俺の頭の中でパズルのピースがはまっていき、一つの仮説へたどり着く。まあ実際はそんなカッコいいもんじゃない。もしかして? ってレベルだけど、聞いてみる価値はありそうだ。


「もしかしてエリンにもお父さんと同じマスタースキルが?」


「誰がお父さんだっ! まさか貴様はエリンと結婚したつもりでいるのか!」


 めんどくさいなぁ……。じゃあなんて呼べばいいんスか。話の腰をバッキバキに折るのはやめていただきたい。


「私にもお父様と同じマスタースキルがある、ということでしょうか?」


「私はそう考えている」


「なんでまたそういう結論に?」


「実はだな、交流戦が終わり改めて国王様へご報告した時、エリンの話になった。そして私は起こったことを全て話した。するともしかしたら何か分かるかもしれないということで、国王様が城にある書庫を自由に使っていいと言ってくださったんだ」


 交流戦の成果は意外なところでも出ていたようだ。


「その日から私は毎日そこでエリンが帰る方法について調べ始めた。すると、過去に異世界に行ったことがあるというダンジョンマスターが書いた文献を見つけたんだ」


「過去にもエリンと同じ体験をした人がいたってことじゃないですか! それでその人は今どこにいるんですか?」


「残念ながらそれは分からない。仮に分かったとしても、その文献が書かれたのは人間の寿命を遥かに超えた昔だ。もしかしたら子孫ならいるかもしれないが、やはり探し出すのは困難だろうな」


「そうですか……。でも文献があるってことは、その人は元の世界に帰って来られたということになりますよね」


「そうだな。その文献には異世界にいる時に突然、転移のマスタースキルが使えるようになったと記してあった。そしてそのスキルを使って元の世界に帰って来られたとも」


「ということは、エリンが転移のマスタースキルを使えるようになれば、元の世界に帰ることができる……?」

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