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異世界から来た美少女と自宅でまったりダンジョン運営する話  作者: 猫野 ジム


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第12話 くっころ姉さん

 空中にいるアナスタシアさんの両足首に、ゴブリンファイターの腹から伸びた触手が絡まった。そしてそのままグイッと引っ張られ、ビターン! と仰向けに倒れてしまう。痛そう。


「なっ……なんだこれはっ!? ゴブリンファイターにこんな攻撃ができるだなんて聞いたことないぞ!」


 そりゃそうでしょうね! だって改造してるんだから! 俺がエリンにオーダーして、エリンがステータスを書き換えたモンスターだ。


 実のところ別に触手にこだわりがあるわけじゃなくて、要は剣聖姉さんが知らない生態のモンスターをボスにしたかったのだ。


 剣聖ともなれば、あらゆるモンスターの特徴を熟知しているはず。最速で最短で一直線に討伐しようとするに違いない。

 だがそこにこそつけ入る隙がある。データベース化されているからこそ、全く想定外の攻撃に対する油断が生まれるのだ。


「俺がエリンに言ってステータスを作り替えてもらったんですよ」


「何だと!? そんなことできるわけないじゃないか!」


「それができるんですよねー。この状況こそがその証拠ですよ」


 今も両足首を触手に絡まれて仰向けになっているアナスタシアさん。そこへさらに触手が伸び、両手首にまで絡まる。強制的に大の字になってしまった。こうなればいくら剣聖といえども身動きがとれないだろう。


 さすがに細かい行動までは指示できないので、これはモンスターの意思によるものだ。


「これも貴様の指示なのだろう? 私は負けんぞ!」


 さすが剣聖。全く諦めていない目をしている!


「私が少し力を込めればこんなものっ……!」


 どうやら手足に力を込めて、触手を引き剥がそうとしているようだ。


「はあっ! せいっ! うおおぉーっ!」


 剣聖お姉様の気合いの入った声がダンジョンに響き渡る。ところがその気合いとは裏腹に、絡みついた触手はビクともしない。


「放せっ! こんのぉぉーっ!」


 今度はジタバタと暴れ始めた。よほど触手の力が強いのか、顔しか動いていなかった。

 その後もなんとか逃れようとしたアナスタシアさんだが、体力を消耗しただけに終わる。


「お姉様……っ!」


 心配そうに見つめるエリンを見ると、さすがに良心が痛む。でもこれはエリンが再びリーンベル家に戻れるようにするために必要なことなんだと、予め教えていたことなんだ。


 ひとしきり暴れたアナスタシアさんが静かになった。何か策を考えているのか、体力の回復を待っているのか、いきなり黙られると何か凄いことを起こそうとしているみたいで、画面越しでも緊張が走る。


(あれ? ちょっと泣いてる?)


 考えてみれば、強制的に地面に大の字にされ手足を動かせないって、結構恥ずかしいかもしれない。スカートだし。


「私はリーンベル家長女、アナスタシア・リーンベル! そして誇り高き剣聖! この程度で弱音を吐くものか!」


 それはリーンベル家として、ダンジョンマスターとして、剣聖としての矜持(きょうじ)。瞳に宿る炎はこんな状況であろうとも消えることは無い。


「エリン! どんな時でもリーンベル家の誇りを忘れないようにするんだぞ! エリンにしかできないことだってきっとあるはずだ!」


「はいっ! お姉様!」


 ん? なんだかフラグが立った気がする。もしかして最後の手段みたいなことしようとしてたり?


 ここでゴブリンファイターに動きがあった。触手でアナスタシアさんの両手足を動けなくしつつ、アナスタシアさんの体を宙に浮かせたのだ。


 両手足の自由を奪われ、空中で大の字になったままの剣聖姉さん。さすがにこうなっては打つ手無しか? 本当に泣きそうな顔をしており、唇を噛みしめているその姿は、まるで何かを覚悟したかのようだった。そしてゆっくりとその口を開く……。


「くっ、殺せ!」


 今ここに生くっころが誕生した。

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