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3話 "ステータス画面"は前世の記憶から起きたスキル

「ま、まさか?!」


 他人の筋肉がレベル別で見えるようになりました。よりによってどうして毒を盛られて変な能力手に入れるの!


「すてえたす? とはなんだ?」

「ええと」


 そもそもステータスってどこの言葉だっけ? あれ大事なことを思い出した気がしたんだけど? ステータスってゲームで使えて、ええと?


「……王立医師団へ行こう」

「大丈夫です!」


 身体は元気。ステータス画面が見えるだけだし。


「いや、目に見えない部分で影響がでているかもしれない。先程も立ち眩みがあったのだから行きなさい」


 倒れる危険があるから付き添うと団長が立ち上がる。そのままドアを開け私の名を呼んだ。

 断れなかった。


* * *


「なにもなくてなによりだ」

「ありがとうございます、団長」

「いや大したことではない。念の為、経過観察は私にも細かく報告してくれ」


 団長は案外心配性だ。他の団員のこともよく見ていて不調があると声をかけていることが多い。


「けど患者数があんなに多いなんて知らなかったです」

「ああ、最近増えてきている。流行り病でもなくて医師団も頭を抱えていた。……今回の紅茶で使ったものは一度全て医師団に渡すことになる」

「はい。予備はあるので大丈夫です!」


 こういう時は専門家に頼ろう。私はあの香料が怪しいって思ったけど違うかもしれないし毒なのかもわからない。


「それで、すてえたすとはなんだ?」

「ぶふっ!」


 有耶無耶にできてなかった!

 担当してくれた医師のステータス画面も見れて、『全体バランス4! 男性平均よりやや貧弱』と出てきて目が飛び出す思いだったわ。

 それもこれも私が前世の記憶を思い出したのが原因だと思う。ゲームのステータス画面なんてこの世界にはないし、言葉も変わったものを知っている。そもそも前世と言っても、そこまではっきりしたものじゃない。こんな曖昧な状態だと信じてもらえなさそう。


「団長、ちょっといいですか?」

「ああ」


 一人の騎士が団長に声をかける。

 ちらりと私に視線を寄せたので笑顔で返して「私は事務室に先に戻ります」と会釈をして場を去った。ステータス画面のこともあるから離れられるのは幸い。話しかけてきた若手騎士に『全体バランス5!』のステータスが出てて遠い目をした。


「どうしよ……」


 さすがにステータス画面の話をするのは気が引ける。しかも見えているのが筋肉についてだ。攻撃力とか防御力とかなら話しやすいのに筋肉がピンポイントってどうしてなの。

 団長は仕事が多い。普段の仕事に加え南端ラヤラ領の違法建築に今回の体調不良者の増加まであるのに私の個人的な悩みなんて相談できない。

 ああ、でも団長の全体バランス10って最高値よね? そうだと思ってたけど、いい筋肉持ってる。直で見られたら最高だったのに。おっとヨダレたれそう。


「あら、ヘイアストイン男爵令嬢」

「あ……コルホネン公爵令嬢」


 アイノ・ヘルミ・コルホネン公爵令嬢は一応私と同じ事務員をしている。一度も仕事に来たことないけど。

 大方今も城内を回って婚活してるに違いない。


「貴族の令嬢が口を開けたまま呆けているものではありませんわ」

「あはは、そうですね」


 筋肉のこと考えるとどうしても顔が緩むんです、なんて言っても理解を得られないだろうな。


「貴方、その笑い方もいかがなものかと思いますが」


 貴族なのだからとコルホネン公爵令嬢は言うけど、かたや公爵でかたら男爵だ。公爵家水準で考えなくていいと思う。


「そもそも貴方仕事中なのでは?」

「……なんてこと」

「?」

たくさんの小説の中からお読み頂きありがとうございます。

ほんの少し異世界転生の要素を絡めています。ステータス系だとそうなるっちゃなるのですが。さておきメインは魔眼と魔眼のスキル、あらすじにある通り絵描きを軸に進み、転生はアウトオブだと思ってもらえて大丈夫です。


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