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2話 魔眼に目覚める日

 一口飲んで強烈な違和感を感じた。

 びりっとした痛みが舌を走る。すぐに口を離した。

 同時目の前がぐらりと揺れて回る。気持ち悪さも同時にやってきた。


「っ!」


 なにこれ、香料のせい?

 今までと同じ茶葉を使ったし、カップもあらかじめ洗った。布巾は新しいものを持ってきた。

 事務員になった時に推薦してくれた副団長からの教えで団長の為に慎重になってほしいと頼まれて今も続けているお茶出しのやり方だ。

 団長を狙う刺客から守るためで、いつも通り念の為の作業をしたのに、どこかでよくないものが混ざっていたの?

 いつもと違うのは一点、香料だけだ。

 まさかスィーリが? そんなことない。ならスィーリに渡される間で?

 団長が今にも口をつけそうになるのが揺れる視界から見えた。


「団長! 飲まないでください!」

「え?」


 がしゃんと音がした。傾いた私が自分のカップを机の上で転がしてしまった。


「ヘイアストイン女史? どうした?!」

「の、飲まない、で、ください!」

「ヘイアストイン女史!」

「あ、れ……?」


 一瞬視界が真っ暗になったぐらいで意識はすぐに回復した。団長の声もずっと聞こえていたから間違いないはず。眩暈もなくなっているし、どこにも違和感はない。


「医師を呼ぼう」

「いえ、大丈夫です」


 なんともない。いつも通りに戻った。


「毒だった場合、後々影響が出かねない」

「でもすごく調子よくて、身体も軽くて目が冴えてるんです……って、あれ?」

「どうした?」


 団長を視界に入れると左胸あたりに半透明の四角い枠が出てきた。何か書いてある。


『初めまして、ステータス画面です』


 自己紹介してきた。それも情報が列挙される。


「ステータス……」

「どうした?」


 団長の胸元を示しても、彼には何も見えていないようだった。

 四角い枠の中には文字がびっちり書いてある。


「大腿二頭筋9.5、腹直筋9、上腕三頭筋8.5って……え?」

「何を言ってるんだ?」

「うっわ……」


 嫌な予感しかしない。

 挙げ句四角い枠の右隅にある”?マーク”が丸く囲われている部分に視線を送る。


『筋肉のステータスレベル及び全体バランスは1から10で構成されています』


 吹き出しで出てきた。


「ステータスにレベルって……」


 これはちょっと本当にやばい。

 説明の吹き出しを閉じて再度団長を見る。


「なにも見えない……そう、私にはなにも見えない」

「ヘイアストイン女史?」


 左胸元に四角い枠がすっと出てきた。


『全体バランス10! おめでとうございます!』


 やっぱり見えてる。

 冷や汗がどばっと出た。


「ま、まさか?!」

まあコメディな色合いからも今までの私の作品を読んでくださってる方はお察しのことかと思います。ラッキースケベ感は4話ぐらいからですのお楽しみに(笑)。

明日からは一日一話、朝更新です。よろしくお願いします!

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