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頭良さげに見える事より本当に頭がいい事を優先するとは、さてはお前、馬鹿だな

作者: HasumiChouji

「おい、どうなってる?」

 世界的なSNSの運営会社を買収しCEOとなって1年余り、社内の反主流派とマスゴミどもによって、私は性犯罪常習者の濡れ衣を着せられてしまった。

 もちろん、私が所有するSNSを使って濡れ衣を晴らそうとしたのだが……。

「正常です。これまでと註釈機能AIの動作は何も変っていません」

 クソ、この阿呆エンジニアも反主流派なのか……?

 ええい、この社会の権力闘争に見事勝利した暁には、こいつも馘だ馘だ馘だ馘だッ‼

「どこが正常だッ‼」

 私が濡れ衣を着せられる直前に導入された新機能「註釈機能AI」は私の釈明投稿に対して、とんでもない註釈を付けたのだ。

『この投稿は信用出来ないと判断されます』

 そして、私の釈明投稿に付いたレスポンスは……。

『それが無罪の証拠なら、何で連続殺人鬼の○○○は有罪判決なんですか?』

『何、感情的になってんですか?』

lol(大爆笑)

『大草原』

 あとは、ネットミーム化してる画像や動画を貼り付けて私を論破してる気になってる糞野郎ども。

 社長権限で、そのアカウントを削除か凍結しようとしたら……今度はAIがとんでもない警告を出してきた。

『そのアカウントは社長のお気に入りか将来そうなる可能性が高いと判断されます。削除には社長の承認が必要です』

 だから、社長は私だッ‼

「いや、本当に、社長の連続レ○プ事件発覚前からAIの仕様も変ってない筈なんですよ……」

「誰がレ○プ魔だッ‼」

「その話は弁護士や検事にやって下さい。ともかく、社長がOKを出した時点で、学習データも更新してないんで、AIの動きは変って無い筈なんです。変ったのは社長や世の中です」

「そんな馬鹿な筈が有るかッ?」

「いやだって……」

「だって何だッ?」

「あのAIは……社長の投稿や社長がお気に入りにした投稿を『頭がいい投稿』と見做して評価基準を自動生成したので」

 いや、待て、どうなってる?


「ようやくAIの動作解析が終りました」

「ふざけるな……何日かかった……」

「2〜3日ですが……」

「その2〜3日の間に、ウチの会社の株価が、どれだけ落ちたと思う?」

「すいません。私、投資には興味が無いので」

「この阿呆が……」

「だって、『優秀な社員に報酬として我が社の株式を譲渡する』って制度を廃止したんですよ。それ以降、我が社の社員は誰も我が社の株価に興味なんて持ってませんよ」

「クソどもが……、もういい。で、どうして、AIは、私の投稿を嘘と判断し……私を誹謗中傷してる連中を、私の『お気に入り』だと勘違いしたんだ?」

「ですので、社長の投稿や、社長がお気に入りにした投稿を『善い投稿』と見做す事で評価基準を自動生成したせいです」

「それは、この前も聞いたぞ」

「だから、AIは……社長の好みに合せて、少ない文字数で何かをズバリと断言するような投稿を『頭がいい投稿』つまり『信用出来る内容』と見做し、社長の釈明のような長々と論理的な投稿は『頭が悪い投稿』つまり『信用出来ない内容』と見做したんです」

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