表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/12

爺さんの正体は…… 偉い人?


「マチロ…… いいのか?」


「はい…… ごしゅじんさま、ハイエナ連中から街を守ります」


逃げた金豚連中は5機…… 残るハイエナ連中の機械騎兵は7機だが、街の格納庫から新たな機械騎兵が数機が現れる。


「無理はするな。傭兵ギルドの傭兵達も出撃して来た様だし…… 足止めするだけでいい」


「はい」


新たに現れた機体には、傭兵ギルドの所属機体も見えたので…… 俺は、マチロにハイエナ連中の足止めを指示し、挟撃する事にした。


「逃げられない様にだけ気を付けろ」


「はい、街を襲うハイエナは危険なのです」


基本的にハイエナ連中は街を襲撃する事は無い…… 連中の基本行動は死体を漁る事、その為に戦闘後の戦場によく現れる。


「街を襲撃したとなると…… 誰かがハイエナに、襲撃に値するお宝があると漏らしたか?」


だとすると…… 今いるハイエナ連中を全滅させないと、街に防衛力が無いと判断される可能性がある……


「倒さないと…… 次は倍の敵が来る」


この世界も治安が悪い…… ほんの少しでも富があると荒くれ者達に狙われる。街単位でも防衛力が無いと襲撃されるのだ。


「だから、街に力があると周知させないとな……」


ハイエナ連中の最後の一機が、街の防衛機械騎兵のメイスの一撃をくらい動作を停止する。


「お、わった……」


ハイエナの機体が停止したのを見て…… 俺の緊張の糸が切れた。


「ごしゅじんさま?」


そして、俺は気を失った……


 ・

 ・

 ・


「あらあら、可愛らしいのに…… 此処は中々に凶悪なのね」


「ごしゅじんさまにさわらないでください!」


微睡む意識の中で…… 誰かがマチロと口喧嘩している声が聞こえたので、俺はゆっくりと目を開けた。


「ごしゅじんさま!」


「あら? 起きちゃったわ」


「マチロ…… と、誰…… だ?」


身体を起こそうとして、自分の身体が液体の中に居る事に気付いた。


「此処は…… アバター生成機の中か?」


「アバター? 貴女達はそう呼ぶのね…… 私はマダム、【マダム・ライディ】。貴女達の言う爺さんの古い仲間さ」


「爺さんの…… 処で、俺はどうなったんだ?」


「ごしゅじんさまは、あのあと意識を失われたのです」


「貴女の身体…… 貴女が言うアバターの調整が不完全だったからね。しかし、貧弱な上に特殊な身体だね? そんな身体を選ぶなんて…… そう言う趣味かい?」


「そう言う趣味では無いが…… 選ぶとは、どう言う意味だ?」


「はん、惚けるんじゃないよ! 貴女達は好きに作り出した身体で、この世界に戦乱を振り撒いてるんだろう?」


「作り出した身体…… 戦乱を振り撒いてる?」


「キャシー、そこまでだ」


「チィ…… 私はマダム・ライディだよ」


「街長…… どうして、あんたが?」


「私も関係者だからだよ。あの方の遺言に従い、君に…… その身体とあの方の遺産の話をしよう」


「その身体って、どう言う事だ?」


「君の今の身体、その身体が此処に在るのは…… あの方と私が廃棄される前に盗んだからだ」


「盗んだ?」


「お話の前に、ごしゅじんさまは服を着ましょう」


「え、あ!? 裸!」


「失礼した」


街長は部屋の外に出るとマダム・ライディが近付いてきた。


「私は残るわよ。身体に異常が無いか?確認しないとね」


そう言って、マチロが差し出した布で身体を拭く俺にあれこれと指示をする。


「身体の方は…… 1ヵ所以外は少女よりねぇ。その1ヵ所がすごく御立派で凶悪なんだけど……」


「ごしゅじんさまから、はなれてください!」


「あらあら? 貴女…… そう言う事。大人の仲間入りしたのね…… でも、あまり独占欲が高いと嫌われちゃうわよ」


「!?」


両手を広げて、マダム・ライディと俺の間に入っていたマチロが心配そうに振り返る。


「よしよし、俺がマチロを嫌う事は無いから…… で、どうなんだ?」


「そうね…… 調整は上手くいってと思うけど、身体的に弱いのは仕方がないわ」


「そうか…… 貧弱なだけで異常が無いだけましか?」


「まあ、ズルせずに自分で鍛えなさい…… しかし、センス無いわね」


「お爺ちゃんの残した物で…… ごしゅじんさまが着れる物が少なく…… 性能重視なのです……」


「ごめんさいね。お嬢ちゃんを責めてる訳じゃないの…… たく、これだから男供は…… それと、性能重視ならジェルはクリア系にしなさい」


「それはちょっと……」


「どうせ上に着込むんだから、四の五の言わない! だいたい、戦場でそこまで見えたら終ってるでしょ? それよりも、少しでも性能を優先して危険を避けるべきよ!」


「そうです! ごしゅじんさま、外で着替え無い様にすれば…… だいじょうぶです!」


「くっ…… 死ぬよりは…… 仕方ないか……」


俺は…… 二人の圧力に敗けた……


「服は…… しょうがないから、私が後で揃えてあげる中で選びましょう」


「ごしゅじんさま、私が最高に似合う物を選びます!」


「目立たない奴で…… 頼む…… あぅん!?」


「ごしゅじんさま?」


「ちょっと…… 前の時と感覚が……」


「調整したからね。身体の神経も過敏になったみたいね…… どのぐらい敏感かしら♪」


「ちょっ、ま、待って!」


「む~、ごしゅじんさまから離れて!」


触診と称して、いろいろとこねくり回され…… 最早、尊厳が無いに等しい感じになった俺は…… そそくさと着替えて部屋を出ると……


「大丈夫…… かね?」


なんとも言えない感じの街長が待っていた。


「大丈夫…… ちょっと尊厳が失われただけだから」


「? 大丈夫なら付いて来てくれ」


街長の案内で…… 爺さんの工場の奥に進む。


「此処は…… 機械騎兵の製造現場か?」


「ああ、世界初の製造工場だ」


「世界初…… どう言う事だ?」


「機械騎兵…… あの兵器を最初に作ったのは、君達が爺さんと呼ぶ…… あの方だ」


「何!?」


「まあ当時は、今の機体に比べると、巨大なフルメイル甲冑くらいにしか思っていなかったが……」


「お爺ちゃんが…… 機械騎兵を作った人……」


「当時…… あの方は国の防衛力に悩んでいてね。この世界は平日でも魔物が出たりと、騎士や兵士に平民は常に命の危険がある。その事に対処する為、あの方は魔物のゴーレムを参考に巨大な騎士を作り出した」


「国を…… 爺さんは偉かったのか?」


「あの方は…… 今は亡き我等の祖国の先の国王…… 先王様だ」


「せんおう…… こくおう…… お爺ちゃん、王さま?」


「そうよ。私の旦那とこの人も家臣だったの…… あの頃が懐かしいわね」


「旦那…… お前も家臣だったろう?」


「その頃の私は雇われの術士兼商人だから、王様の家臣になったつもりは無いわ」


「術士?」


「あの頃の私は、怪我を治療したり薬を作って生活していたのよ…… 自分の薬を売る為に商人ギルドにも入ってね。だからこそ、貴女の調整ができたの」


「君の身体を保存する為の薬液は、彼女が作っていたのだ」


「なるほど…… でも、何で調整できるんだ?」


「術士って、言ったでしょ? 病気の回復術の応用ね。貴女の身体の魔力などの通りを良くしたのよ」


「魔力…… 俺には、特殊スキル系の適正能力が無かったはずだが……」


「昔はね。言ったでしょ? 通りを良くしたって、今の貴女なら使えるはずだけど…… 今の今まで使った事が無かったのなら、ちょっとづつ慣らす様にしなさい」


「慣らさずに使うと…… どうなる?」


「頭の中が破裂するわ。パーンって」


「パーン……」


「こわ! 使うのこわ!」


「話を戻すぞ」


「「「はい」」」


「先程、亡き祖国と言ったのだが…… 実は、君達に深い関わりがある。何故なら、その王都だった地で君達の身体…… アバターが産み出されているからだ」


爺さん達の亡き祖国は…… 俺が最初に降り立った場所だった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ