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荒廃した地に…… 少女?崩れ落ちる!?


「どうして……」


「ご、ごしゅじんさま。ば、ばんざ~いしてください」


S.F映画の様に未来的な一室で…… うさみみを生やした幼女に、実際には存在しないはずの衣服?を着せられていた。


「そ、それでは…… 貼ります」


着方が解らない俺は…… 幼女にされるがままに、胸や股間にシリコンの様な素材の物を貼られていた。


「これは…… ヌーブラみたいな物か?」


「ぬーぶら? 衝撃吸収と身体を清潔に保つ為のジェルサポーターですよ。え~と…… たしかですね~、ある程度の外部からの衝撃を吸収して身を守り、身体から出た老廃物などを分解して吸収…… これを着けていれば、約1ヶ月くらいは、おトイレの心配はいりません」


「それって…… 大の方もか?」


「だい?」


「その…… 尻の方もって事か?」


「はい、出た瞬間から分解吸収されますので、赤ちゃんから兵士や特殊環境にいる人達、おじいさんとおばあさんに…… 娼館のおねえさん達や…… あ、あの日の女性達など、だいたいの人達が使用しています」


「宇宙飛行士が宇宙服の時にオムツする様なもんか…… いったい何の素材で出来てるんだか?」


「え~っとスライムです」


「えっ…… す、スライムって…… あの?」


「どのスライムの事か解らないですけど、倒したスライムの死骸を錬金術で無害に加工した物だと聞いています。元々は、娼館の依頼で…… その…… ひ、避妊具を…… ですね…… 作ろうとして……」


後半の方で、恥ずかしそうに頬を染めながらも、うさみみの幼女が説明してくれる。


「だから瞬時に分解吸収するのか…… 便利だから、下着に転用したのな?」


「は、はい! そうです! 唯一の弱点と言えば、一般的な物は高熱に弱い事ですね。なので、外気温が高い処では冷感作用もあるブルー系に交換してください」


「冷感作用って…… 発熱するやつも在りそうだな」


「発熱は危険なので、一般的に売られてませんが…… 保温作用のあるピンク系なら売られていますよ」


「ブルー系にピンク系…… 今着けているのはグリーン系か? 他にもあるのか?」


「ありますが…… その……」


「どうした?」


「一種類だけ…… 冷感や保温などの全ての機能が作用する色系があるのですが……」


「おお、良いじゃんそれ! 今あるのか?」


「あるには…… ありますけど…… ちょっと…… ですね……」


「うん? どうした?」


「あの…… これ…… なんです……」


幼女が取り出した〝それは〟……


「これは…… ちょっと……」


「ですよね…… 私も……〝クリア系〟はちょっと……」


〝無色透明〟な物だった。


「いくら瞬間的に分解吸収されるとは言え…… そ、その…… 出した瞬間は見えますから…… それに…… 常に肌が見えているので…… ご、ごしゅじんさまは…… その…… あ、あそこが…… み、見えてしまいますし……」


そう言って恥ずかしそうにうさみみ幼女は、両手で顔を隠したが…… 指の隙間から俺の股間をチラチラと覗いては、目に見えるくらい身体を熱くしていた。


「たしかに…… この〝身体〟は…… 見えたら、ヤバイか?」


グリーン系のジェルサポーターが貼られた……〝見慣れない膨らんだ胸〟と〝何時もと違う股間〟の感触に違和感で戸惑いながら聞くと……


「は、はい! ご、ごしゅじんさまは、ただでさえかわいいのに…… き、〝きしょうしゅ〟で…… し、〝しゆうどうたい〟…… ご、ごしゅじんさまは、天使さまですか?」


「いや違うから……(初期バグで出来る〝モザイク〟アバターなんだけど)とりあえず、念には念を入れて、この上に着る物はある?」


「は、はい! ごしゅじんさま…… あの……〝前のお身体〟に比べると…… その…… かなりザコいです…… なので、こちらを着けて見ては、どうでしょう?」


「これは……〝異種族未経験者〟優遇アクセサリーか?」


「いしゅぞく…… みけいけん? あの…… たいへんかわいいのですが…… ごしゅじんさまのおめめは、きしょうです。隠された方が……」


「ああ……(たしか…… このアバターって、黒目が右が深紅で左が金色の色付きをしていたんだけ……)左右非対称の目は目立つのか?」


「ごしゅじんさま…… 今のごしゅじんさまは、かわいいのです! そこにさらに珍しい特長が合わされば…… かなり危険度が上がります!」


「ああ……(そう言えば…… この子、人拐いから救出した設定のキャラだったな……)今の俺は、狙われる見た目をしているのか?」


「はい! 今のごしゅじんさまは…… どう見ても、超かわいい天使な女の子にしか見えません! 変態や悪い人達ホイホイです!!」


「そんなに!?」


「解ったなら、こちらでそのかわいいおめめを隠してください」


「解った……(これたしか…… 異種族的なの超感覚に馴れる為の補正する系アクセサリーだったはず……)見た目がヤバイな……」


渡されたアクセサリーは、見た目が黒に赤いベルトが付いた革製の目隠し……


「逆に目立たないか?」


「とりあえずです! ごしゅじんさまは小さくなられましたから、顔を見られるしんぱいは少ないと思いますが…… 今のごしゅじんさまはザコいので、少しでも強い装備が必要なのです!」


「ざ…… たしかに見た目重視の最弱モザイクだけどさぁ……」


「次は…… これを着てくださいね」


「これって…… 一人で着れるヤツか?」


うさみみ幼女に渡されたのは、着ると早く泳げる様な全身水着にも見える…… 背面が黒に蛍光色のグリーンのラインで前面が白い薄手の全身タイツ?だった。


「こちらは、斬撃と打撃…… それと毒系に耐性があるアサシンフロックの稀少種の皮を素材にしたボディスーツですね」


ハンガーのタグを見ながら、うさみみ幼女が全身タイツ?の性能を詳しく教えてくれる。


「裏地に筋力系がアップする付与も施されている様なので…… かなりザコいごしゅじんさまでも、あんしん?…… ですね?」


「いや、疑問的な感じで言われても…… とりあえず着るけどさぁ……」


「ちなみにですが、素材が稀少過ぎて…… 現品のみだけの様です」


「はあ!? 高性能な試作品って事? 着ちゃったけど…… 大丈夫かよ? うわぁ、へそのかたちまでわかるほど薄いな…… 本当に大丈夫か?」


「厚さ的には、ごしゅじんさまの愛用していた強化スーツのインナーと同じくらいですよ」


「マジかよ!?」


「密着型か、そうじゃないかのちがいですかね? 後は…… アーマーです」


「おい、おまえ…… マジか?」


うさみみ幼女の差し出したのは、金属の光沢を放つ…… 際どいデザインのビキニアーマーだった。


「ピッチリタイツにビキニアーマーって…… 目立つだろう!!」


「で、でもですね。今のごしゅじんさま…… クソザコですから、一撃で即死ですよ」


「うっ…… せ、せめて、何か…… 上に着ても?」


「しょうがないですね…… ごしゅじんさまのサイズですと…… これとこれに…… それとこれだけですね」


「これって…… セーラー服にチアガールのコス…… コスプレかよ」


 ・

 ・

 ・


「結局…… 競技用の女性乗馬服しか無かった……」


カーキ色のピッチリとしたキャロットパンツと同色のジャケットを、全身タイツとビキニアーマーの上に着込むかたちになったが……


「着れる服が有って良かったですね」


「このビキニアーマー…… どうなってんだ? 服の下に着れるほどに薄くて動きに合わせて軽やかに曲がるけど、叩くと金属の様に固いし…… あもう~どうしてネタ装備ばかりなのか、あのじいさんを問い詰めたい…… で、此処が出口か?」


「はい、この先が外です」


「どれどれ……」


「ごしゅじんさま?」


S.F映画のセットの様な施設の出口から出ると……


「やっぱりか……」


その光景に俺は…… 崩れ落ちる様に四つん這いになった。


砂煙が舞い吹き荒れるそこは……〝見覚えのある別世界〟の荒野だった。



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