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エピローグ
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その後、王国では異例の発表が相次ぐ。
第二王子の立太子。
第一王子の臣籍降下と、子爵令嬢との結婚と同時の辺境伯への就任。
そして歴史ある王国有数の名家、ロレーヌ公爵家の異例の身分差婚。
その格差婚を批判する者は多くいた。しかし実際その令嬢を目にすれば、一国の王妃にも劣らぬその身のこなしと完璧なマナーに心奪われる。そして、彼女の打ち出す前例のない新しい制度は公爵家を増々の繁栄へと導いた。その洗練された美しさと聡明さを目の当たりにした人びとは、彼女を認めざるを得なかった。
――――妹を冤罪により失った悲劇の公爵。
幼くして王太子となった第二王子と貴族たちとの橋渡し役であり、その後の王国の繁栄の立役者となった彼は、王国の歴史に名を残した。
そんな彼は無類の愛妻家として知られ、その生涯を妻と子供たちとともに幸せに過ごしたと伝えられている――――