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願い

作者: まさのし

愛するがゆえに盲目となった男の人生はそれで良かったのか?

いま私は、当時の想い出を振り返りながら、時に

後悔して、懺悔して、そして自分を恨み、相手を怨み悶々とした日々を過ごしている。


あの時、彼女と、別れていれば...

あの時、あの場所に行かなければ...


でもその全ては自分が望み、自分が決めたこと。

人を恨むなんて愚かな事だと知っている。

俺は愚かな者。


愛と暮らして行く為ならば、今後一生他に子供はつくらない。


愛が俺の子供で、愛以外の子供はいらない。


当時の俺は、毎日いるかいないか、わからぬ神様と、自分のご先祖様と相手のご先祖様、至るところにいると思われる神々様に願っていた。


神様、仏様、ご先祖様申し訳ない、俺は愛が好きだ。

そして、千尋も大好きだ。

心から愛してる。

だから皆で仲良く暮らせるように俺の、俺のささやかな願いを聞いて下さい。


千尋の家族、親戚身内、誰もが言った。

俺には器量も度量も、そして、金も名誉も何もないから、子供は育てられない、裕福な生活をさせてあげれないから、愛とは一緒に暮らさせない、暮らしていけない、絶対にって、彼女の回りの人達は口を揃えて俺に言う。


今思うと、その通り。

そうかもしれない。俺には無理だ。


その時はその思考は微塵もなかった。

愚か者だ。


貴女方二人が別れるのなら、千尋だけは許してあげる。

そして、千尋には愛を会わせてあげる。

あなたは他にいい人を見つけて、千尋と愛に金輪際、構わないで下さい。

愛とは血が繋がっていないのだから...


神様、仏様、ご先祖様、俺は毎日こんなことを言われてるけど、俺が本気だって証拠に俺の血の繋がった子供は今後作るつもりはありません。絶対に作りません。

子供は愛だけで十分です。

愛がいれば何も要りません。


俺の子供は愛だけで十分です。

そして十分に、俺の人生をかけて、命を懸けてこの二人を守り、愛し、尽くすから、生涯尽くすから、

だから、だから、どうか愛と一緒に暮らせるように、ほんの少し、ほんの少しの力を私に貸して下さい。

お願い致します。お願いします。。


神さま。。


どうか愛と千尋と仲良く暮らせるように...

どうかお願い致します。


日々そう願った。

毎日その日が来ることを信じて、朝から夜まで愛の笑顔を思い浮かべ、千尋を思い一生懸命働いていた。


いつかその日が来ることを信じて。。。


でも、俺の願いがどこにも届くことはなかった。


虚しい努力と悲しい現実が俺を苦しめている。

俺は愚か者だ。


器量も、名誉も地位も金も何にもない。

何もなくてもただひたむきに人を愛する純粋さだけは持っていた。

持っていたけど、そんなものでは人を幸せに出来る事なんて


出来ないと心底思い知らされた。

打ちのめされた。


あの時、心を鬼にして悲しみを乗り越えて、先を見据えて別れていれば。。。こんな日が来ることは無かったのだろうか。。。


別れが最良の選択だったのか。。


別れていれば、離れていれば、、、


後悔先に立たず、、か。。

後悔しても悔いはない、か。。


俺は愚か者だ。

寂しく生きる意味があるのか。その意味を問いながら生きて行く男の末路は。。。

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