7
「はじめまして、助かりました、私はレティカといいます。お二人はどうしてこんなところに?」
おいおいこいつ、ストレートに聞かれると困ることを聞いてきたぞ。
俺は改めてレティカを見る。
民族衣装のような服を着ている、髪の色は黄色か、金色じゃない。
肌の色は白く、目の色は黒い。
目をよく見ると魔眼持ちのようだ。
石化や魅了のような他人に影響を与えるタイプのものではなく見るだけの能力のようだ。具体的に何処まで見れるのかまではわからない。
初対面の相手に話すようなことでもないので触れないでおこう。
「私はミスティアでこちらの方はロイ様です、私達はちょっとした使命があってここに来ました、あなたも何か使命があってここへ?」
ミスティアが話題を切り替えた。
「ええ、そうですね。私も、まあ、色々とやることがあって。それにしても強いですね、あの王冠を被っていたのはエネミー指定、いわゆる賞金首に指定されている危険なモンスターですよ。賞金として4500万ルタンが支給されます。」
エネミー指定、賞金首、ルタンという恐らくお金の単位と思われる単語……どれも魅力的な単語だが、こっちにはこっちでやることがある、そっちを優先するか。
俺は前に出る。
「立ち話もなんだし、我々は迷宮の外に向かっている。良かったら一緒に行こうか?」
というわけでミスティアを同行者にして先に進むことにした。
歩きながら探りを入れる……などという無粋なことはせずあんまり意味のない雑談をミスティアとレティカがしている、具体的に言うとミスティカが自分の銃の性能を自慢して、それにたいしてへーそうなんですかとレティカが相槌をうっている。
とりあえずこの世界では銃は珍しくないということはわかる。
俺は前に見た能力表を元に、レティカに急造で作り上げた特殊なサーチをこっそり発動させて見る。
長時間見つめてないと使えないが今後改善していけばいい。
基本的に能力の見方はミスティアと同じである。
筋力などの数値もそのままミスティアと比べていい。
実際に計測してみてわかったが数値が8を下回ったら生きるうえで障害になると思う。
名前・レティカ
種族・人間
年齢・15歳
性向・中立・中立
死亡回数・0回
筋力・9
器用さ・10
生命力・10
敏捷性・10
知力・11
精神・10
運・12(圧倒的強運補正の効果でプラス2されている)
容姿・10
特殊能力
・圧倒的強運補正
・魔眼(正体不明)
・全身を覆う透明なオーラ型バリア、強度は厚さ5ミリのベニア板程度
なんとも言えない普通の能力が出てきた。
筋力は9と低いがミスティアみたいに銃を持ってれば問題ないと思う。
あの金ピカのゴーレムも銃弾を何発か叩き込んでれば倒せただろうし。
筋力は8でも銃を持って撃てると思う、銃の重さにもギリギリ耐えられるだろう。
銃を撃ったら反動で脱臼や捻挫の危険があるが。
筋力7までくるともう銃は持てないだろうし、そもそも立ち上がって自分の体重を支えるだけの筋力も無いだろう。あまりにも筋力がなく自力での呼吸すら怪しくなり生命維持装置のようなものが必要になる場合もある。
こうやって能力を数値化していくとよっぽどのことがないと10からズレないような気がする。
そう考えるとミスティアって凄い?
ちなみに自分にやってみたら測定不能と出てきた。