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そのまましばらく、俺とミスティアの2人で迷宮をどんどん上に上がっていく。
モンスターが大量に襲ってくるが全部ミスティアの銃で撃退できている。
そろそろ出口かなといったところで遠くで物音がする。
何かと何かが戦っているような、そんな感じの音だ。
「この音、モンスター同士で縄張り争いとか?」
ミスティアに聞いてみた。
「いえ、モンスターで同士討ちするのは極一部の特殊なモンスターだけです。人間とモンスターが戦っているんだと思います。この迷宮のモンスターは強いほうですが、入り口付近ならそうでもないので探検家が傭兵とか雇って入ってくることもあるんです」
「行ってみるか」
俺とミスティアからかなり離れたところで、岩石の巨人3体と重装鎧の6人と錫杖を持った女1人が戦っていた。
岩石の巨人は前にミスティアが銃で倒したのとは色違いで灰色であり、頭には何ものせていない。
「おかしい!モンスターが強すぎる!この迷宮はどんだけ金をつまれても安すぎる、やってられるか!」
リーダーっぽい鎧の人がそう言って逃げ出すと他の鎧の人達も一切の迷いなくその鎧の人に付いて撤退していく。
一糸乱れない動き過ぎてなんだか不自然な動きをしている。
ひょっとしたらリーダーっぽい鎧の人が他の鎧を操縦してるのかもしれない。
鎧の人たちが撤退していく、殿に大盾を持った人が最後まで残ってる。
「え? え?」
大盾を持った鎧の人が最後まで残って岩石の巨人のパンチで盾で止めるが5人目が逃げると無言でその場から退散していく。
どうやら大盾は撤退の時は仲間の最後の1人が逃げるまで大盾を持って攻撃を止める役目のようだ。
だが、その仲間のうちに錫杖を持った彼女は含まれていないらしく大盾を持った鎧も走って仲間に続く。
全く舗装されてない動きづらそうな足場だというのに、鎧達は器用に進んでいく。
「ああ、神様、お助けください」
錫杖を持った女は後ずさりしようとして石につまずいてその場に倒れてしまった。
岩石ゴーレムがパンチを錫杖を持った女に向かって振り下ろそうとして……轟音と共に消滅した。
ミスティアの銃声だった。
残り2体もその直後に2回銃声がして消滅した。
「どうもー怪我はありませんかー?」
ミスティアが手を振りながら近づいていく。
俺も一緒である。
次の瞬間、俺の目の前に今までとは色が違う岩石の巨人が現れた。
金ピカで頭には王冠をのせている。
なんかボスっぽいのが出てきた。