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王様の部屋から出でからも、城の兵士たちからの襲撃はあったが軽くさばいてミスティアのところに向かう。
気配と物音から判断すると大分下に居るようだ。
俺は床にパンチを叩き込み、大穴を開けて下の階に移動してミスティアのところに行く。
ミスティアの銃から飛び出る弾丸が木製の盾を貫通して下っ端兵士を蹂躙していく。
弾込めの時間に弓矢を撃たれまくったり、ナイフが飛んできたり、色々とあったようだがミスティアは背中に偽王様を背負ったまま片手で銃を持って撃ちまくる。
もう片方の手には大振りのナイフを持っている。
巨大なリュックの上に偽王様が結わえてある。
真後ろから放たれた弓矢をナイフで叩き落とし、正確な射撃で弓矢兵を撃ち抜いていく。
そこに俺が現れた。
ミスティアは普通に俺を撃ってきた。
「おいおい、俺だよ俺」
俺は手でキャッチした銃弾を見せながら近寄っていく。
手の中の銃弾は潰れて形を変えている。
というか、口紅みたいなサイズの弾丸だな。
「あっ、すみませんロイ様。また偽物が来たのかと」
「俺は本物だぞ」
「ええ、そうですね。とりあえず銃撃して生きてたらロイ様で間違いないだろうなって」
一番楽で確実な確認方法だな。
「では一旦撤収しようと思うのだが……その背中に結えてある人は連れて行くのか?」
「ええ、そうですね。情報源になりうるかと思って」
「よし、行くぞ」
「あえて話題を避けているようなのでわかりますが、NNN72は捕獲できましたか?」
「ハズレだったよ、それとこの地域でウロウロするのは難しくなったかもしれないな、移動しながら説明する。とりあえず外に出ようか?」
「あっ、はい、お供します」
俺達は夜の闇に向かってジャンプした。