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ロイの冒険 世界最強の男、美少女しかいない異世界に行く  作者: 灼熱ひまわり
1章 いざ美少女しかいない異世界へ
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1

無限に広がる神殿、その中に巨大な樹が立っていた。

その樹の前に一人の男が佇んでいる。

上から下まで赤一色のローブを着込んでいるのが特徴的である。

彼の名前はロイ・ストロベリー、千界と呼ばれるこの世界に住む世界最強の戦士である。


最初にはっきりと断言してしまうが彼は世界最強の戦士である。

勝てるものなど誰も居ない。

普段は山奥の自作した小屋に1人で暮らす。

彼を探し出して、彼に挑む命知らずが現れては返り討ちにされることはあるがそれ以外は山奥に引きこもっている、たまに人里に降りてきて慈善事業もする。


彼の前に存在している巨大な樹は通信機になっていて樹を経由して話をすることができる。


「久しぶりだな、ロイよ」


ロイは樹を見上げて言った。

声の主の名はタイジュという。

その声をきいてロイは言った。


「樹が喋った!!!」


辺りは静まりかえっている。

タイジュの部下と思わしき沢山の人達が何処か怯えた目でこちらを見ている。

どうやら俺のギャグは滑ったらしいが、そんなことは些末なことだ。

気にしない気にしない。


「さてと、本題に移ってもいいかな?」


声の相手はタイジュ、俺の古い友人である。

悪友と言ったほうがいいかもしれないがそんなことはどうでもいい。

彼に呼ばれると大抵の場合ロクでもない案件を押し付けてくるのでできれば会いたくないのだが、俺に挑もうという命知らずを撃退する為の戦士を貸して貰っているので、頼みを蹴るというわけにもいかずここへと来た。

もし正々堂々と俺と戦って俺に勝てれば世界最強の称号を獲得できるということで命知らずな者たちが勝負を挑んでくるのだ。

山奥に住んでは居るものの別に隠れ潜んでいるわけではない、というかある程度の情報通なら俺が何処に住んでるか知っているはずなので次から次にやってくる。


どうせ暇なのでそれを全部相手してもいいが、タイジュの提案でそれなりに強いらしい戦士1万人を俺の家の周囲にぐるりと配置して強固な要塞を築いている。

タイジュが言うにはこの程度の要塞すら単独で突破できないような奴は相手しなくてもいいだろうとのこと。

今のところ、この要塞を突破して俺に挑めた者は2人。

2人とも軽く倒してからタイジュにスカウトされていた。

あれから結構時間が経過しているので2人共強くなっているんだろうか。


それはそうとなんでタイジュは急に俺を呼び出したりしたのだろうか。


「ああ、別にかまわないけど」


一体なんの用で俺を呼びだしたのだろうか。


「ふむ、唐突だが世界を救ってきてもらいたい」


「……本当に唐突だな」


世界を救うってなんだ? そもそも千界はピンチなのか?

いや、そんなはずはない。

そうなら俺の耳に入ってこないはずはない。


それとも俺が昔居た、地球がピンチだったりするだろうか。

そんな話も聞いてない。


となるとどこか別の世界を救ってきてくれというような話なのだろうが、こいつさえ倒せば世界は全て丸く収まりますみたいなわかりやすい悪党なんかそうそう居ないだろう。

だが俺が呼ばれたということはそういう奴が出現したということだろう。


ただその世界をタイジュが救おうという意図が見えない、タイジュ達が気まぐれにやる極端な温情主義や慈善事業か?


「実はとある世界にわしが自作のマジックアイテムが逃げ出しちまってな……場合によってはそいつがその世界を滅ぼしかねんのよ、こいつをちょっと行って倒すなり捕獲するなり封印するなりしてその、なんだ世界を救ってきて貰いたいのだ」


もしタイジュが悪の道に走るようなら友人として止めるべきだろうか、とちょっと考えた。



1のサイド


俺の名前はカーマイン、かつてロイに挑みそして敗北した。

その後色々あってタイジュの腹心、もとい直属の戦士というポジションについた。

今日は久しぶりにロイが来るということで神殿までやってきた、やつの顔を見るのは久しぶりだ。


ひと目みただけでわかる、相変わらず凄いオーラを秘めている。

とりあえず俺を害するという意図はないようだ、むしろなにかあったら俺を守ってくれそうな空気まである。


負けはしたがあれからなかなか良いポジションにつけた、世界最強の称号は欲しいがまあいいさ。

いつか力をつけてもう一度勝負を挑みたいと思う。


ロイに負けてから色々な相手と戦った、戦績は全戦全勝。

どんな強者も俺に抗うことすらできず、俺に触れることもできず、まともな勝負にすらもならず倒せた。


俺が負けるビジョンが見えない、想像することすらできない。

ロイに負けたのが夢だったと言われてもそれが一番しっくりくるような状態だった。


だが今こうしてやってきたロイを見て、ああ確かに俺はこいつに負けたんだな。これは勝てないわというということがはっきりわかった。


それにしても俺を送らずロイを送るとはNNN72とはどれほど危険な存在なんだろうか。

タイジュはNNN72討伐に俺を送って、そのすきにNNN72が千界にやってきたらどうするんだということを話していた。


距離ならどれだけ離れていようともテレポートですぐタイジュのところに駆けつけられるが流石に別の世界に行っていると即座に駆けつけるというわけにはいかないだろう。


戦力的に考えて、本当に俺が行かなくていいのだろうかと思っていたがロイが行くのなら俺の出番は無いだろう。

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