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幼なじみを探して

まだまだ拙いですが、ちょっとでも楽しんでいただければ幸いです。エレナ=ローズです。同一人物です。理由がありますがそれはまた後日……。

「はい、次はこれ」



どん、と積まれた大量のディスクを見て、さすがにため息がでた。部屋は小さくて窓がないうえに無機質で大きな机がふたつあることで、よりいっそう閉塞感が感じられる。僕は手元の用紙の31番目にバツをつけて、録画再生機からディスクを取り出す。


これだけ見ても映っていないなら望みは薄いんじゃないだろうか。この町にはそもそも立ち寄っていないか、もしくは映らないように犯人が行動しているためローズを見つけることが出来ないか。監禁の可能性は。車で連れ回されていたり?

それか、とっくに…。


考えれば考えるほど嫌な想像しか浮かんでこない。


ふと隣にいるキンバリー警部を見た。

長い足を組んでコーヒーを片手にじっとモニターを見つめている。こういったことに関しては彼女はプロフェッショナルだ。

どのくらい望みがあると思っているのか、考えを聞いておきたい。


「あの、」

「言っておくけど、地道に探すしかないからね」


キンバリー警部はモニターを見たまま言った。


「すぐに手がかりが見つかるなんてことは、

フィクションだけよ」


彼女の見ているモニターには、煙草を吸っている学生が数人地面に座り込んでいた。そばにはビール瓶も転がっている。


「この辺りは不良の巣窟ね」


彼女はそう言って、椅子にもたれた。

こんな所にローズが……?

また嫌な考えが浮かぶ。すると、


「よいしょっと、警部、子供には優しくしましょうよ~希望を持ってねとか」


ガチャッと音がして、ドーナツとコーヒーを持ちながら若い男性の警察官が入ってきた。


「連日の徹夜、お疲れさまです警部。差し入れどうぞ。今回はちゃんとチョコダブルにしてますよ。コーヒーはいらないですね、じゃあせっかくだから君に…チョコダブルとコーヒーね。はい。あ、俺はダン。頑張って探すからね。よろしく」

「ありがとうございます」


差し入れを受け取ると、僕は急いで右手をあけて握手に応じた。

ダンさんは机に山積みになったディスクをみて


「け、警部!?

学生に捜査を手伝わせてるんですか!?

ばれたら大事ですよ?――っと、君、気を悪くしないでね、機密情報とか他の事件とかあるし…」

「ただの学生じゃないわよ」

「ええ、ええ、そうでしょうね。被害者である女の子のボーイフレンドで、」

「え?いや、ちがっ」

「よいしょっとここ座ろ。

ああ、ドーナツ代は気にしないでね。

経費で落ちるんだ。俺はホワイトにしよっと」

「いやそうじゃなくて―――」

「モグモグ、うんうまい――少しでも解決のヒントを掴もうとあらゆる手を使うというのは分かりますよ、分かります。警部の気持ちは。でもさすがに学生に捜査活動をさせるのは。だって、」


場合によってはアレな写真なんかが…


ダンさんは小声でキンバリー警部に詰め寄ってるが、口元の動きでわかってしまった。


「本庁の警視総監のご子息よ。トップが直々に許可を出しているの。」


ホワイトチョコレートのドーナツが床に落ちた。

ダンさんはあわてて拾うと、


「ふっ、よぅし3秒ルールおっけい。――っと、マジっすか?え、君、本当?」

「だから一緒に防犯カメラの映像をみているのよ」

「わあお」

「あの、その通りだけど…ボーイフレンドじゃなくてただの」

「大丈夫!警視総監のご子息の恋人は、必ずこのダンが無事に傷ひとつなく救出します!

大丈夫だからね」

「あのう…」


ダンさんの勘違いが直らない。


「恋人じゃなくてただの…」

「はっ!申し訳ありませんフィアンセでしたか。

恋人とフィアンセは大違いですもんね。

ただちに訂正を」


だめだった。

するとキンバリー警部が、


「あなた、捜査の邪魔をしに来たの?」


新しいディスクを再生機に入れながらダンさんを嗜めた。


「あ、そうでした。報告があるんです。

警部、この件で"死神"が動きました」


ダンさんは急に真面目な顔をした。


「うそでしょ?」

「マジです」

「どういうこと?

あそこは…あり得ない…だって、」


キンバリー警部は立ち上がるとふらついて机に倒れそうになり、ダンさんはあわてて支えた。


「実はどっきりで~す、って言いたいんですが…

すみませんマジです。だから」


キンバリー警部はありがとうと言ってダンさんの腕をぽんと叩いた。


「明日、ここへ行けと捜査本部長が。」


キンバリー警部は小さなメモを受けとると、

眉をひそめた。


「警部、シフトの変更を許可してください。

俺も一緒に行きます。女性ひとりであそこは…」


ダンさんの言葉に首を振ると、


「大丈夫よ、それより、彼女…ローズの件で

"死神"が動いたと本部長は言ったのね」

「はい」


彼女は僕の方を向いた。


「なら、彼女は生きてる」

「どういうことですか?それに死神って?」

「ごめんね、詳しくは言えない。

上司に聞かなくちゃいけないことが出来たから

もう行かなくちゃ。でも確信を持って言える。

安心して、ローズは生きてる」


ローズは生きてる…その言葉が体の中にずしんと落ちて、体の中が熱くなった。生きてる…生きてるんだ。


「でも、どうして」

「ダン、後をお願い」

「はい」


キンバリー警部は急いで資料掴むとを飛び出すように部屋を出てしまった。モニターからは自動車やバイク、不良の笑い声がしている。

ダンさんは僕をみた。


「犯人逮捕率、100パーセント、保護対象者は必ず助ける。ぜったいに犯人は彼らからは逃れられない。だから別名、"死神"なんだ。」


ダンさんはふぅと息を吐くと、


「世界中の王族を束ねる高位の存在…

一族の名前くらいは知ってるだろ」

「はい」

「"死神"はね、その一族専属なんだ」


自分の心臓がやけに大きく聞こえた。


「彼らしか守らない。」

「でもローズは普通の女の子ですよ」

「そう。だから彼らがこの件で動くなんて…

あり得ないんだよ」

「ダンさん、ローズが生きてるっていうのは…?」

「……」


話す気はなさそうだ。

でも、僕の方も引く訳にはいかない。

何をしてでも、どんな手を使ってでも、

ローズを見つけ出して助けるんだ。


「ダンさん」

「……。口外厳禁だよ」

「厳守します」

「彼らは18歳の黒髪の男の子を探しているそうだ。それで、アッシュブロンドの女の子も保護するように、という指令が"死神"にくだったそうだ。」

「それって…」

「そう。大昔じゃあるまいし…今の時代、ブロンドの髪色の人間はほとんどいない。

ローズさんでまず間違いないだろうね。

彼らにとっても異例の指示だ、

もし俺ら警察の方でふたりを見つけたら、即刻、

"死神"に情報提供しろと命令がきた。つまり……」


ダンさんは椅子に座り込んで、









「二人は一緒にいるってことさ。何故かは全く想像がつかないけれど…ね」

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