表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

何が起こったか想像してもらう話

作者: 桜騎

この話でかなりのスペースが空いているところは登場人物が何かをしています。何をしていたか、話を読み進めて考えてみてください。

考えなくてもお話は楽しめると思います。


 突然ですが、私は結婚しています。夫はとても仕事熱心で……ときどき寂しいと感じてしまうくらい。だけど、良く私を想ってくれているとても優しくて、私の大好きな夫でもあるのです。


 そんな仕事を頑張ってくれている私の優しい夫に、何か差し入れたいと思っていました。私の夫はほとんど部屋から出ずに、何日も徹夜続きな時もあるからです。……何がいいかしら?きっと喉は乾いているだろうから、お水は必ず持っていきましょう!お菓子かしら?でもでも、あの人はときどき私が持って行ったお食事を残してしまう時があるので、やっぱりおにぎりかしら?いいわね、おにぎりにしましょう!


 さっそく私はおにぎりを作りにキッチンへ。お塩だけがいいかしら?……あ、お海苔を巻いてあげないと……。夫のことを考えながら作るおにぎりはとても楽しかったです。


 そして、おいしく出来上がりました。さあ、持って行ってあげましょう。


 薄暗い廊下をお盆を持っててくてくと歩いていく。ほかほかと湯気が立ち上り、とてもおいしそうですが、我慢がまん!食べてはいけません!さあ早く届けなくては……。


 「あなた。……あなた。おにぎりを差し入れに来ましたわよ」


こんこんとノックを三回。しばらく待ってみましたが、返事は返ってきませんでした。


「入りますよ?」


かちゃりとノブを回して入ってみると、やはり夫はお仕事を熱心にやられていました。さすがに声をかけるのは遠慮したくなりましたが、お盆を置くところがないので仕方なく声をかけることにしました。


「あなた。おにぎり、ここに置いておきますね。あとで食べてくださいな」


それでも返事はありません。わかっているのかいないのか、それが知りたくて肩に手を置いてみました。すると、ふり払われました。


「わぁーってるよ!ったく!うるさいから出てってくれ!」


「……。……あらそう……ですか」


 私はにっこりとほほ笑むと、お盆を持って出ました。


------------------------------------------------



 「あなた。おにぎりですよ」


翌朝、私は再びおにぎりを持っていきました。そのとき夫は、椅子の背もたれによっかかって伸びをしていました。


「ん?あぁ、ありがとう。いただくよ」


 目の前で大好きな夫に食べてもらって、とてもうれしくなって、満足した私は部屋を出ていきました。


 「……さて」



------------------------------------------------


 わたしは妻からもらったおにぎりをむしゃむしゃと食べていた。


 もう残りも半分かというところで、異変に気付いた。口の中に、何か食べ物ではないものが。……取り出してみると、それは一枚の紙切れだった。


 広げてみると、それはただの紙切れではなく、手紙だということがわかる。手紙にはこう書かれていた。









   あなたへ


 いつもお仕事お疲れ様です。よく徹夜してでもお仕事を頑張っていることは知っています。なので、私にも何かお手伝いができないかと考えて、結果おにぎりを差し入れることにしました。おいしかったらうれしいです。頑張ってください。私は、あなたがいつかこちらへ来ることを楽しみに待っています。来たときは、構ってくださいね?   待っています。いつまでも待っていますから。


                                 あなたの妻より






 「……ったく。わたしが間違えて紙を飲み込んでたらどうするつもりだったんだ」


わたしはうれしさと照れくささから、手紙とは別のことをつぶやいた。


 わたしはありがとうと伝えるために、部屋をとびだした。……ありがとう!ありがとう!

 ……今度、給料もらったら山へでも海へでも連れて行ってあげよう!


 ばあんっと音を立ててリビングへの扉を開く。


「……―――え……」


















            扉を開けてみたところにあったのは、妻の遺体だった。

















 「嘘……だろ!?」

わたしは頭を抱えてしゃがみこんだ。妻は首を吊ったままぶら下がっていた。


 その時、妻の手から何かが落ちた。拾い上げてみると、それは紙切れだった。……が、ただの紙切れではなかった。それは、手紙の続きだった。







      待っています。地獄で、いつまでも、いつまでも―――。






 「あ……あぁ…………」


あれは、妻からの差し入れの手紙ではなく、怒りの手紙だったのだ。……わたしが、いつもひどい態度をとっていたから。暴力だってふるっていたから……。でも!あれは、あいつを遊びに連れてってたりたくて……。そのためには少しの時間もさけなかったから……う……。


「ぅ…………うぁああああああああああああああああああああああ!!!あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!」






「あ……ぁ……。うっぐすっ」


 わたしは泣いて泣いて泣きまくった。……しかし、もう他界した妻は生き返りもしなかった。

こんにちは、桜騎です!久しぶりに短編を出しました!黒猫とヴァンパイアなどの連載小説も更新していくので、よろしくおねがいします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ