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名乗り

亀更新ですみません

「…誘拐されているのに『ここにいろ』とは随分とおかしなことを仰いますね」


男を睨みながら言う私に更に笑みを深めて近づいてきた。


「こんな状況でそこまで口が回る女は珍しいからな。身代金とか別にしてそばに置いておきたくなった」


「…は?」


「安心しろ。不自由しねぇように侍女もつけてやるから」


「ちょっ…何ですか!勝手に…」


「そういやまだ名を名乗ってなかったな」


そう言うと男は私の前に座り込んだ。視線が私と同じ高さになる。


「俺の名前は(こう) (じん)だ。こっちの侍女は(てい) 春花(しゅんか)って言う」


親指で後ろを指す先には先ほどの女性。申し訳なさそうに頭を下げている。


「で、あんたに抱きついているのが『ライ』だ」


私の膝に乗っていた白虎がガウとひとほえした。


「俺の『霊獣』だ」


男…迅の言葉に私は驚いた。本当にいるとは思わなかったからだ。


『霊獣』とは幻獣国にしか存在しない獣のことだ。

幻獣国の民一人一人が生まれたときに同時に誕生し、死ぬときに共に死ぬ、相棒のような一心同体のような存在。らしい。


幻獣国は基本的に鎖国状態で書物で知っているレベルだったから眉唾物だと思っていた。


(同時に誕生とかタイミングが合うわけ無いでしょう)


「んじゃ春花、後は頼んだ」


「え、若様!?」


彼女…春花さんにそれだけ言うと虎 迅はさっさと部屋を出ていってしまった。


「……………………」


「……………………」


部屋に微妙な空気が流れる。どうしてくれる。


とりあえず私がしなくてはいけないこと。


「ティアル・レインツリーと申します」


「て、汀 春花って言います!」


自己紹介だった。

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