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自国の常識は他国の非常識?
「では、戻りましょうか」
走り去っていく彼を呆然と目で追っていると残っていた兵士が声を掛けてきた。
「あの、何があったのですか?」
「あ、気にしないでください。ちょっと熊の奴等が攻めてきただけですから」
さらりと言われたので理解するのにちょっと時間が掛かった。
「え!?攻めてって・・・ええ!?」
「?そんなに驚くとこです?」
「だって侵略ってことですよね!何でそんなに落ち着いているんですか!」
「だって割といつものことですし、若様がいますから。若様がいたら絶対大丈夫ですよ」
「でも・・・」
「そんなに心配しなくても大丈夫ですって!ささっ、もどりましょ!」
そう言われ、私は強引に背中を押されて部屋に戻されていった。