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余計な世話1

――――――――――――

話は少し遡る。


結局、私は屋敷内をうろつくことは出来たけど、外に出ることはかなわず、さらには春花さんとライが常に張り付いているという軟禁状態になっていた。

人目があるところで魔法を使うわけにもいかず、どうしたものかと思っていた時、部屋の番をしていた男性に目がついた。


「・・・春花さん」


「なんです?」


「あの方、少し様子がおかしくありませんか?」


「え?・・・あ、そう言われて見ればってティアルさん!?」


春花さんが言い切るのも待たず、私は男性の方へと歩いて行った。


「あの」


「え・・・ってええ!?」


男性が驚いた声を上げる。

それもそうだろう。面識のない女が自分の額に手を当て顔を近づけていたら。


「・・・熱がありますね。顔色も悪いですし。確か昨日雨の中屋外で訓練をされていたようですがきちんと体を拭いていなかったのではありませんか?」


「!?なんで・・・」


「今はひき始めですから理由を言って体を休ませた方がいいです。春花さん、ここにジンジャーってありますか?」


「え・・・?じんじゃ?」


「・・・生姜です」


「い、いや!風邪なんかで休むとか」


「なんかと言いましたか?」


男性の声に被せるように言う。と、途端に2人とも静かになる。


「なら風邪なんかにかからないように体調管理をきちんとなさってください。体面を気にされるのなら交代の時間までここで休んでいて下さい」


部屋に無理矢理引き込んで座らせる。大した抵抗もなしに動いてくれたことにホッとした。


「春花さん、生姜と蜂蜜と、あとレモンもあるといいんですが」


「あると思いますけど、何作るんです?」


「お湯にこれらを入れると体が暖まるんです。家族が風邪を引いたときにはいつも作っていましたから」


春花さんと話をしながら厨房へと向かう。


その次の日、男性は全快して、私は暑苦しい位のまなざしを受ける羽目になる。

ティアルの『面倒見の良いお姉ちゃん』発動。

本人はほぼ無意識ですが、猛虎族ではよほどのことがない限り看病なんてほぼしないのでこれだけで好感度上昇です。

このあと、「飲めますか?」とか「苦しくなってきたらすぐ言って下さいね」とか言ってしまうので更に好感度急上昇です。

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