見抜いてるハート
「はぁーー……」
ハートはため息をついていた。というのも、あの後自室にたどり着いたのが明け方だったので全然寝ていないのが原因である。もちろん少しは寝たが朝食の時間だと起こされてしまった。
「眠い……」
今は寝たい。ただただ寝たい。だがやらなくてはいけない事があるのだ……それは、
そうジェリアンのことである。あの後どうなったのか調べなくてはいけない。それで寝ないでジェリアンを探しているのだ。寝てからなんて言ってられない。
「てかジェリアンの部屋何処だ?」
眠くぼんやりした頭で考える……が何も思いつかない。
「どうしよ……う」
バタッ……
ハートはとうとう眠気に勝てず倒れてしまった。いくら海賊のキャプテンでも眠気には勝てないのである。
「ど、どうしたんですか!?」
ハートが眠りに着く直前声がした。その声は……思い出す前にもうハートは眠ってしまった。
「ん? 此処何処だ」
気がつくとハートは見たことあるような部屋におり、ベッドに寝かされていた。
「あぁ! 起きましたか!?」
誰かが近づいてくる。それは……
「心配したんですよ? いきなり倒れているハートさんを見つけてしまったのですから」
「ジェリアン! やっと見つけた」
探していたジェリアンだったのだ。
「ど、どうしたんですか?」
「いや~ちょっと聞きたいことがあってね?」
ハートが笑いながらジェリアン言う。
「はい、そうなんですか? で聞きたいこととは」
「うん、それは」
ハートは笑うのをやめ、真剣な顔つきになると……
「ジェリアン、お前政略結婚させられようとしてるんだろ?」
「!!!」
それは今までジェリアンが今までハートから聞いたことのない冷たく、真剣な声だった。