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お礼は大事

「ジェリアン! ちょっと待って! こっち来てくんない?」


「えっ?」

いきなり呼び止められたジェリアンは足を止め、ハートの元に駆け寄ってきた。


「何ですか?」


「いやぁ助けたんだからお礼してもらわないと……」

今ボニーは少女にお礼を求める船長を見てがっかりしていた。ボニーたちは20代くらいの大人である。そんな大人が子供に見返りを要求するなんて……


「えっ!?……そうですよね助けてくれたんだからお礼くらいしなきゃ」


「そうそう、だからこの町の案内「私の家に来てください!そこでならお金をあげれます!」……まじで?」


「はい!望むならご馳走も! 私の家ってお金持ちなんですよ」


「やったーーーー」

ハートが喜んでいると……


「ちょっと!ハート様」

ボニーがハートに耳打ちしてくる。


「私たち海賊ですよ!? そんな所行ったら……」


「行ったら?」


「捕まりますよ! お金持ちなら警備もあるでしょうし」


「あ……」


「?どうかしました」

二人で話し合っているのを不思議に思ったジェリアンが話しかけてくる。


「いいや!? 何でもないよ。行かせて貰おうかな」


「えっ、ハート様!?」

話を聞いていなかったのかこの人!?


「はい! ではこっちです」

ハートとボニー(ハートが行くからしぶしぶ)は慣れない町をジェリアンに案内されながら……豪邸にたどり着いた。

その豪邸は山を崩して作られたのか、町を見渡せるほど高い場所にあった。

「凄い……!!」


「でかいですね……」

ハートとボニーはその豪邸の広さ、大きさに驚いていた。いやこの建物って町に入る前に見た城らしき建造物に凄く似てるけどまさか城じゃないよな……

「さぁ、入ってください」

ジェリアンは遠慮なくと豪邸の中に誘う。


「はーい! お邪魔します」


「お、お邪魔します……」


外から見ても大きかったが中はもっと凄かった。シャンデリア、ステンドグラス……金ぴかの置物

まで置かれているのだ。


「凄い! お宝の山だ!かいぞムグッ!?」


「ハート様!」

慌ててハートの口を塞ぐボニー。


「あんた馬鹿ですか!?海賊って言おうとしてましたよね! ばれたら牢屋行きなんですよ!?」


「ムグムグ!(わかった)」

ハートがうなずいたのを確認してボニーは口から手を離す。


「どうしたんですか?」


「な、何でもありませんよー」

ボニー・・・・隠すのへただなぁ


「そうですか?じゃあこちらへ」

ジェリアンは扉を開け手招きする。


「はいはい」


「大丈夫かなぁ……ぼろ出さないといいけど」

二人は扉の中に入っていく。

不安を抱えるボニーとは逆にどれくらいお礼がもらえるのかわくわくしているハートだった……

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