菓子恋 ~愛しのカントリーマアム~
自分は今、恋をしている。その相手はとても素敵だ。どんな女性よりも、ずっと魅力的だとさえ思う。自分をいつでも包み込んでくれる、優しくて美味しい存在。
彼女の名前は、“カントリーマアム”。
彼女の存在が、自分を支えてくれている。彼女がいなければ、今の自分は無かっただろう。
人にはよく「おかしい」と言われる。「カントリーマアムに恋するなんて理解できない」と。自分からすれば、カントリーマアムに恋を出来ない方が理解できない。
カントリーマアムとひとつになれた時の“快感”。あれほどの快感は、他には無いだろう。ひとつになると、とても幸せだ。他の全ての事が、どうでもよくなるくらいに。
彼女と愛し合い、ひとつになる事が自分の生き甲斐だ。
けれども、ひとつだけ問題がある。
彼女は他の男ともひとつになる。それを見るたびに、嫉妬で狂いそうになる。
分かってはいる。彼女はみんなのアイドルだ。自分一人だけのものではない。しかし、この気持ちだけは抑えられない。
“彼女を独り占めしたい”
苦しい。叶わないと分かっているから。愛しているのに、独占できない。自分は彼女への愛に溺れていた。
夢にまで見てしまう。彼女との二人だけの世界を。
どうすれば救われるのだろう。
分からない。
けれども自分は、彼女に手を伸ばす。苦しくなるだけだというのに。
今夜もまた、彼女への愛に溺れていく……