黒い霊印鑑
遂に見つかった坂本勇人。ここからこの話は、大きく変化する。
一方、ガンテツ・幸子・真由美はと言うと……。
「サッチン(幸子)!!危ねぇ!!」
「キャー!」
ガンテツ達は別れる前には霊能力者に出会い、幸子が浄化されそうになった時、ガンテツが身を呈して幸子を庇った結果、ガンテツは浄化された。
「ぐわあああああ!!」
ガンテツが逝った。泣き崩れる二人、霊能力者は近づく……。
坂本勇人は霊能力者のおっさんと対峙していた。
(妙だな、あのおっさん、ある一定の距離から近付いて来ない)
(これ以上近付いて【祟り】をもらったらいけねぇな……。よし!)
おっさんは念仏を唱え始めた。坂本勇人は呼吸困難に陥った。
(ヤバい!)と、思い一か八か殴りかかった。
ゴッ!
「やった」坂本勇人の攻撃は成功し、おっさんの詠唱を食い止めた。
「くそっ。歯が抜けたか?だが近いならもっと強力な技で成仏させてやる!」
おっさんは懐から数珠を取りだし、坂本勇人に殴りかかった。しかし、おっさん対大学生、身体機能は坂本勇人に分があった。
「よしイケる!」
坂本勇人は調子ずき、また殴りにいったが、おっさんは逃げながら念仏を唱え始めた。
(くそう逃げ足はそんなに速くないのに、念仏のせいで距離が縮まらない……ん?待てよ)
坂本勇人は閃いた。念仏を唱えながら必死に前を向いておっさんが走るなら、反対に走ればより速く逃げれる!
「よし! ガンテツ達と集合するか!」
だが、目の前に現れたのは警備員二人「やべっ」と左へ逃げる。当然と「待て〜」と、お声がかかる。そこへ、警備員に無線がかかる。警備員達は坂本勇人を追うのを止め、どっかに行ってしまった。
「ふぅ〜やっと一息つける……。しかし、警備員達はどこに向かったのだろう?はっ! ガンテツ達か!?くそっ、今度は警備員をこっそり追わなきゃ」
こっそりとは言ったものの、警備員は全力で走っているわけで、坂本勇人も半ばなりふり構わず走って追う。
「うわぁ〜」と、叫び声が聞こえた。警備員二人は、そこへ行き着いた。全身を纏う黒い霊印鑑の幸子がいた。
幸子の黒い霊印鑑、叫び声が示すそれは……。




