納得
なかなか受付から先に進まない。それは、譲れないものがあるからだ!
「って事はなんだ?まとめてみると、俺達は死んでいて、今後の職を決めないと悪霊になり、現実の世界の霊能力者によって消される?」
「少し違います。」受付は続けた「職を失ってもハローワークに通い就活していれば問題ありません」俺が聞きたいけど、聞けないのはその先……。死後、つまり死んだ俺達がもう1度死んだ時の事。
「なぁ……あの……」受付は直ぐに察し切り返してきた。
「あ、あなた達が死んだら……この世界で死んだら、現世、つまり正常な世界で産まれ変わりますよ。その際、何に生まれ変わるかはランダムです」
「なぁんだぁあそりゃあ!!」ガンテツが怒った。無理もない悪霊になっても、なんなくても結局同じなのだから。
「それじゃ悪霊になっていいっスか?」挑発してみた。
「いいですが、お薦め出来ません。何故なら悪霊が退治される際、ものすごい苦しみを受けると言われております。それがまさに地獄なのです」
あ、って事は一生懸命生きれば苦しまないのか?いや、なんかおかしい、そうだ!
「警官がトラックの運転手は地縛霊になるとか言われていたが、あれは?」もう忘れた人もいるだろうから、思い返して欲しい。
「はい。悪霊となり退治されます」
「なんか基準が曖昧じゃないですか?」幸子だ。
そうだ、トラックの運転手は事故を起こしただけなんだよ。考えてみたら。
「ちょっとこちらでは詳しくはお答え出来ませんが、死んだ人間に霊印鑑の色が出まして、あなた達被害者や、その地縛霊など、もう一度この死後の世界で生きる価値があるか天から裁定が下るのです」
「ふざけるな!!」俺は激怒した。だってそうだろ?天の裁定?まず、物理的に無理だろ?1日何人死んでると思っているんだ?その人達の人生をそんな直ぐに決められるわけがねぇ。
次に、天って神様か?得体の知れない奴になんで決める権利がある?俺は納得できない!!
天とは……。ようやくSFチックになった?え?宗教臭い!?取り敢えず話は進む。




