確執
秋葉原を目指す三人、しかし、秋葉原には多くの霊能力者と悪霊がいる事を知る由もなかった……。
秋葉原、うようよと人(霊)が行き来し、悪霊、主に地縛霊が支配する電気街。当然多くの霊能力者がいる。そう、判断は間違っていた!!
しかし、坂本勇人達はそれを知らない。交番や道路工事・建設中のビル等、警備があるところを避け慎重に進む。たまに霊能力者らしき人を見ると隠れやり過ごす。流石に気付いてきた。
「秋葉原でよかったのかしら……?」
幸子が口を開いた。
「あんたねぇ!!」
真由美が声を荒げた。しかし、幸子の言う事も最もだ。現に霊能力者は増えてきている。真由美はガンテツの事で、ちょっとヒステリックになっていて、自分の提案に文句をつけられたと勘違いしている。二人をたしなめる坂本勇人。
すると、急に三人の霊印鑑が黒くオーラを発した!!
「あ、あなた達、あ悪霊ね!?」
気付けば女の霊能力者、巫女がいた。巫女はお祓いをしようとするが、歯がガタガタ言って明らかに緊張してる。
やばい!!殺される!!そう思った三人だが、この場合、幸子がやったように巫女を殺すしかないのではないか?と思い、戦いを挑む……が、巫女が怖がってしかも、前に幸子がやったオーラでも死なないから、どうなってんのかわからなかった。
「えいっ!!」
巫女が手を向けると、真由美が弾かれたように後ろに吹き飛ばされた!!坂本勇人が巫女に向かって転がっていた空き缶を投げた。空き缶はほぼ直線に巫女へと向かっていった、その速さから巫女は逃れられなかった。きゃっっとかわいい声がした時には幸子が巫女の懐に入って、両手で突く。今度は巫女が吹き飛び、その隙に三人は逃げた。
ある程度逃げると、霊印鑑もおさまり、安堵する三人。しかし、事はそう簡単にはいかなかった。巫女との戦いはこれから始まったのだ。
「ちょっと幸子!!何で巫女を殺さなかったのよ!!」
ガンテツを失い、霊能力者に憎しみを持った真由美との確執である。
「でも、前のは黒くなっただけで殺せたじゃない……。私には加減がわからないの。ガンテツ君には悪いとは思うわ。でもね、」「でもじゃないわよ!!」
坂本勇人には二人の会話に飛び交う【殺す】が受け入れられなかった。
「止めろよ二人とも!!普通じゃない!!昨日までは人の生死には関係なかった俺達だぞ!?なんでそんなに簡単に口にするんだ!?」
ようやく収まった二人、しかしもう二度と元にはならないと坂本勇人には分かってしまった。
仲良くやりたい坂本勇人、罪悪感があり戦いたくない幸子、ガンテツの仇を取りたい真由美、三人はこれからどこを目指すのか?




