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最終話 カエレ!

ヤマダ、彼女さん、トクノさんは僕のベッドの上に。

ブロンドAはパソコン前にある椅子(僕の)の上に。Bは床においてあった僕の枕の上に。

そして僕は、


何故か扉の前で立ち尽くしております。


ちなみにここは、


"僕の部屋”です。


もう意味解りません。全然解りません。1mmたりとも解りません。


っていうか解りたくありません。


ブロンドAとBはもはや自分の世界です。Aはパソコンを、Bは漫画を読んでいます。

まぁ、コイツ等はもはやどうでもいいんです。

所詮は数合わせに過ぎません。というか、冷静に考えれば


数合わせでもなんでもありません。何を持って数合わせなのかさっぱり解りません。


そもそも、その“数合わせ”の所為せいで、ベッド上では熱い戦いがさっきから繰り広げられています。

あ、別に変な意味じゃないです。

ヤマダを挟むようにして、彼女さんとトクノさんが両サイドを固めています。

まるでどこかのラブコメのような状況を僕のベッドの上で展開しています。

トクノさんは執拗にヤマダとコミュニーションを撮ろうとしています。

それに対して彼女さんは猛烈に睨みをきかせています。

これがこれまでのあらすじです。

つまりは修羅場です。修羅場 in マイルームってやつです。


もう全然意味が解りません。


とりあえず、そんなこんなで僕は扉の前から動けずに居るのです。

その事にさえ、もはやノーリアクションです。普通、「何でそんな所に居るの?」的な発言があって然るべきです。

が、扉の前に居る僕に対して、皆は一切触れてくれません。


この部屋の所有者は僕なのに。


ところで、ブロンドBが呼んでいた本を床に置きました。

とうとう身の回りに置いてあった漫画を全て読み終わったようです。

手持ち無沙汰になり、暇になったBはキョロキョロと周りを見回しました。

すると何を思ったのでしょうか、突然Bは、


トクノさんを凝視し続ける彼女さんに話しかけたのです。


なぁにやってんのォォォォオオオッ!」


と叫びたくなったのをグッと堪え、僕はBを見ました。

と、いうより、「お前ナニやってんのサ!?」という念を送ってみたのですが、Bはそんな念を一切シャットアウト。

そんな事に気付くことなく、彼女さんに向かって「どこの高校通ってるの?」とか、「彼氏は?」とか聞きまくってます。

それに対して彼女さんは、「ああ」とか、「うん」とかかなり冷たい返事を返すばかり。

Bは若干涙目です。

っていうか、その隣にいるのがその“彼氏”なのですが、そういえばブロンドA,Bを含め、トクノさんにもヤマダが彼女さんの彼女だという事を説明していませんでした。

ああ、そう考えれば、トクノさんがヤマダに話しかけているのも頷けるかもしれません。

トクノさんはきっと、ヤマダの隣に不自然なほど密着してヤマダと腕を組みながら座っている女性を彼女だと気付いていないのです(っていうかBも気付くべき)。

・・・多分。

それならば、と僕は思いました。

トクノさんにその事を伝えるべきです。『ヤマダと彼女さんは付き合っているんだよ』と。


・・・・・・・・・。

・・・・・・・・。

・・・・・・・。


何故に僕がそんな事をせにゃならんのでしょうか。

ここは僕の部屋です。何で僕が扉の前に立ち尽くしながら人に気を使ってイチャイチャしているハッキリ言って迷惑な友達を助けなけりゃならないんでしょう。

とかまぁ、何か負のオーラが心の底から沸き上がってきて段々腹が立ってきました。

が、ここはヤマダの為ではなく彼女さんの為に、トクノさんに真意を伝えたいと思います。

「あー・・・、ねぇ」と扉の前で僕。

「何だ?」


と床の上からB。


「テメェじゃねぇよクソミソ」と扉の前で若干イライラな僕。

「あぁ・・・」と漫画を再び開いてB。


「何だよ」


と今度はA(本当です)。


「だからテメェじゃねぇってよ」ともうそろそろ憤慨しそうに僕。

「ああ、そう・・・」とパソコンに向き直りながらA。


『何?』と今度は彼女さんとトクノさんがほぼ同時に振り返りました。

ついでにヤマダも。


「あー・・・」

まさか二人とも振り返るとは思っていなかったので若干言葉に詰まります。

彼女さんがコッチを見ている前で「彼女さんはね云々」と説明するのは何か気恥ずかしいものがあります。

僕がそうやって言葉に詰まっていると、

「?」

ヤマダがコッチを見ているのに気付きました。まるで仲間になりたそうな顔です。

と言うかこの場から一目散に逃げ出したそうな、涙目でこっちを見ています。


っていうかそんな目で俺を見るな!全部お前(半分は僕)の蒔いた種だろう!(心の声:僕)


だって・・・!(心の声:ヤマダ)


そんな心のやり取り(僕の想像)をしているうちに、トクノさんは怪訝そうな顔を、彼女さんは僕に対して冷たい視線を送ってきました。



僕だってもう涙目です。



そうこうしていると、不意にAがパソコンの前から腰を上げました。

そして開口一番言い放ちます。

「暇だな。帰るわ」

テメェ人のパソコン弄繰り回しといてそりゃねぇよ。とか思いましたが気にしません。

「そうだな。俺も帰るか」

と、今度は床に座っていたBも腰を上げます。

するとベッドの上からも声が。


「私も帰るかな」と。


その言葉はトクノさんから。


いぃやっほぉおぅっ!


と今にも飛び跳ねそうな表情のヤマダ。それと僕。

「あ、ああ!じゃあ外まで送るよ!」

と僕は三人を外へと連れ出します。もはや執事さながらの動きを身に着けた僕です。

そうして外へと三人を連れ出した僕。

「じゃあな」と、AとBはバイクに乗って去っていきました。

「また来るよ」とは一言も言いませんでした。


「また来いよ」とは言いませんでしたけど。


最後、自転車に跨るトクノさんに、さっき言いかけた事を説明しました。

「あの女の人はヤマダの彼女なんだよ」と。

するとトクノさんはもの凄く綺麗な笑顔をつくり、


「知ってたよ(はぁと)」


と一言言い残して、去っていってしまいました。


遠ざかるトクノさんの背中を見送り、僕は笑顔で呟きました。



「どないやねん・・・・・」







まぁ、いいや。と、僕は家の中に戻ります。

ああ、そういえばヤマダと彼女さんはまだ居るのです。

あの二人もとっとと帰して寝よう。もう疲れた・・・。

そんな事を考えながら、自室へ続く階段を上り―――


「―――――!」


―――僕は足を止めました。

声が聞こえます。

それからなにやら破壊音も聞こえてきます。

しかもその音の出元はどうやら僕の部屋。



これから僕は十分間、僕の部屋の中で繰り広げられていた彼女さんのヤマダへの叱咤のおかげで、部屋の中に入れないのでした。



「どないやねんッ!!」

なっがい期間をかけてようやく最終話です。

と、いうか、この話を書いている間にもヤマダ絡みの事が起きました。

が、それは又いつか書くことにします。

それから、この話をコメディ小説だと思っている人が居るようなので言っておきますと、


この話は9割方事実です。

若干前話と食い違いがあったとするならば、それは時間が経ちすぎて作者の記憶が曖昧になっているからです。


と、いう事で楽しんで頂ければ幸いです。

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